2004.10.21

睡眠改善薬は関節リウマチ患者の睡眠満足感の向上に寄与する

 関節リウマチ患者はしばしば不眠を訴える。このため、関節リウマチ患者に対する睡眠導入薬の効果を見るランダム化クロスオーバー試験を実施したところ、睡眠自体の物理的な改善はそれほど見られず、むしろ体感上の睡眠の質と量を改善することが明らかになった。米Minesota UniversityのJasvinder A.Singh氏らが、10月18日のポスターセッションA「関節リウマチの臨床的側面II」で報告した(写真、右からJasvinder Singh氏、共同演者のMarc Mahowald氏、Maren Mahowald氏)。

 Singh氏らの研究グループは、36〜74歳の男性9人、女性4人の関節リウマチ患者に対し、6種類の薬剤(アミトリプティリン、トリアゾラム、クロナゼパム、コデイン、カルビドーパ-Lドーパ、インドメタシンSE)に対する無作為化単盲検クロスオーバー試験を実施した。各薬剤を1カ月のウオッシュアウト期間をはさんで1カ月間投与し、投与前後に終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を実施した。併せて、自己申告による入眠潜時、総睡眠時間、睡眠中の覚醒回数と睡眠の質に対する聞き取りを行った。

 その結果、対象者の平均で総睡眠時間は約6時間半、入眠潜時は19分と正常に近かったが、睡眠中の覚醒時間は84分、覚醒指数(AI)は33(回/1時間)と多く、睡眠中の覚醒回数も17回と頻繁だった。

 これに対して、コデイン投与では睡眠中の覚醒時間が平均で36分と有意に半減したほか、クロナゼパム投与ではAIが3分の1に当たる11、睡眠中の覚醒回数も3回、いずれも有意に減少した。このほか、アミトリプティリンとL-ドーパでも睡眠中覚醒時間の減少傾向が見られたが有意差は見られなかった。

 その一方で、患者報告では興味深い事実が判明した。ベースライン(試験開始時点)のPSGによる測定では19分だった入眠までの時間は、自己報告では60分と実に3倍も長く認識していた。半面、終夜の覚醒回数は平均でわずか2.8回と過少に感じていた。自分が思うより早く眠りにつき、夜間に起きた事実は記憶にないことが多いことになる。総睡眠時間についてはほぼPSGの測定値と一致していた。

 自己申告による薬剤の効果については、クロナゼパムで総睡眠時間が55分と有意な延長が見られたほか、インドメタシンとL-ドーパで覚醒回数の有意な減少報告が見られている。PSGによる測定では、薬剤によって上記の値は好転、増悪の両方が見られたが、自己報告では、入眠潜時、覚醒回数は有意差が見られないものも含め、ほぼすべての薬剤で睡眠が改善したと感じていた。

 これらの介入結果からSingh氏らは、睡眠導入剤は関節リウマチ患者の睡眠パラメータを顕著に改善することはないが、患者の体感上の睡眠の質と量を改善する傾向があると推察している。併せて、睡眠に関する患者の自己申告については、十分注意して解釈するように呼びかけている。(中沢真也)

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