2004.10.20

インフリキシマブによる抗TNF療法は、関節リウマチ患者における骨密度の減少を抑制−−DXA法にて全身骨密度定量を行ったiRAMT試験の結果より

 関節リウマチ患者では関節破壊と並行して骨粗鬆症がしばしば認められ、ADLやQOLを悪化させることから、骨密度を低下させない治療法が望まれる。また、関節リウマチ患者の骨粗鬆症には多様な因子が複雑に関係しており、その一因として炎症性サイトカインの関与も示唆されている。一方、インフリキシマブを用いた抗TNF療法には関節破壊進展の防止効果が認められている。本演題では、同治療による骨密度減少抑制効果についてLarry Moreland氏(米国・Alabama大学)が報告した。

 iRAMT試験は関節リウマチ患者210例を対象に、インフリキシマブ投与群で54週間経過観察したopen-label試験である。対象には0/2/6週にインフリキシマブ3mg/kgが投与され、以降8週間隔で同投与量が継続された。22週時点で治療目標(疼痛および腫張関節数が40%以下)に達しなかった患者には、インフリキシマブが4.5mg/kgに増量された。それでも治療目標を満たさない場合には、メトトレキサート(MTX)が増量(5mg/月で漸増)され、30週時点でなお目標未達の場合には、MTX10mg+インフリキシマブ6mg/kgが46週時点まで投与された。なお、対象にはDXA法(dual energy x-ray absorptiometry)による全身骨密度定量が、試験前と54週後に実施された。

 本試験では、210例中159例で腰椎(L2-L4)のDXA変化が評価でき、また、210例中164例で大腿骨頸部の同変化が評価できた。試験前と54週時を比較した結果、腰椎骨密度の平均変化率は−0.57%(95%CI,−1.206, 0.074)、大腿骨頸部骨密度の平均変化率は0.18%(95%CI,−0.699, 1.057)と測定された。

 未治療かつ発症初期の関節リウマチ患者では、腰椎および大腿骨頸部に年間2.5〜5%の骨密度低下が認められたとの報告がある(Gough AKS et al, 1994)。また、活動性関節リウマチ患者では、2年間で5.5〜10%の骨密度低下を認めたとする報告もある(Shenstone BD et al, 1994)。事実、iRAMT試験においても試験前には4割近くの患者に著明な骨密度の低下を認めていた。従って、インフリキシマブ46週投与下でのDXA測定結果は、抗TNF療法によって骨密度の低下を著明に抑制できたことを意味しており、臨床的に大変重要な意味を持つとLarry Moreland氏は語った。(水田吉彦、医学ジャーナリスト)

*本演題は海外で実施された臨床試験であり、インフリキシマブの国内未承認用量が含まれます。

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