2004.10.20

関節リウマチの労働者は発症10年以内に2〜7割が仕事に支障ある恒久的障害持つ、文献研究で明らかに

 米国では8割の患者が35〜50歳で発症するため、機能的障害によって労働に支障をきたす場合が少なくない。発症後7〜10年で2〜7割の患者が業務に支障のある恒久的障害を起こすなど、労働生産性の点で深刻な問題であるにもかかわらず、関節リウマチによる欠勤や効率低下などを適切に評価する指標が得られていないことが文献研究の結果、明らかになった。米BankOne社のW. Burton氏らが10月16日のポスターセッション「関節炎の経済・社会・精神学的影響」で発表した。

 Burton氏らは、雇用者の観点から関節リウマチと労働生産性について評価する目的で、Medlineなど6つのデータベースに登録された298文献から116文献を入手し、36研究についてレビュー研究を実施した。

 その結果、関節リウマチ患者の36〜84%が過去1年間に欠勤の経歴があり、欠勤期間は年間で7.4〜84日に及んでいた。病欠に対する扱いや賃金補償が国によって制度が大きく異なるため、Burton氏らは国別に欠勤期間を提示している。ドイツが最も長く、2001年と2003年に発表された2文献ではそれぞれ56.2日と84日だった。

 関節リウマチでは、疾患の進行によって業務に支障がある部分的、全身の障害が高率に発生する。障害の発生は発症後7〜10年に集中しており、この間に2〜7割の患者に障害が起きていた。

 Burton氏らは、関節リウマチと労働生産性についての研究では十分なエビデンスに基づいた指標は作成されていないと指摘する。欠勤による直接的損失については研究報告が多いものの、出勤者の効率低下による間接的損害については十分な報告がないという。また、近年、急速に普及している抗リウマチ薬と労働生産性の関連性についてもまだ評価ができる段階ではないようだ。

 疾患の長期的な進行という問題をかかえる労働者の雇用と労働生産性の問題は、適切な治療機会の提供や欠勤のカバー、疾患増悪時の人材配置など多くの人事・福利厚生問題に突き当たる。多くが高年齢者であることを考慮すると、失業や再雇用の課題とも直面せざるをえず、労働行政による対応も不可欠になりそうだ。(中沢真也)

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