2004.10.19

START試験のインフリキシマブ3mg/kg投与群で、患者の約7割が増量せずに治療を継続−−欧米12カ国共同のSTART試験より



 インフリキシマブの国内投与量(関節リウマチ)は導入期の0,2,6週投与に続き維持投与期に入るが、保険適応上「3mg/kgの8週間隔投与」に限定されている。一方、海外では維持投与期の投与量は3mg/kg8週間隔、同4週間隔、10mg/kg8週間隔、同4週間隔などの投与が実施されている。ATTRACTなどの試験結果からはインフリキシマブに増量効果が認められており、投与量の規制下でどの程度の奏効率が期待できるのか注目されていた。これに示唆を与えるデータが、ベルギー・Gasthuisberg大学病院のRene Westhovens氏らから発表された。同氏はインフリキシマブの有効性と安全性を評価するSTART試験の結果を解析し、治療中にインフリキシマブの増量を要した患者割合を報告した。

 START試験は無作為化・プラセボ対照・二重盲検比較試験であり、メトトレキサート(MTX25mg/週以下)を3カ月間以上継続しても十分な効果が得られない活動性の関節リウマチ患者1082例が対象とされた。対象にはMTXに加えてインフリキシマブ(3mg/kgまたは10mg/kg)ないしはプラセボが併用され、54週の経過観察が行われた。

 今回は、その内インフリキシマブ3mg/kg群に割り付けられた360例(解析対象は354例)について解析が行われた。なお、インフリキシマブ3mg/kg群では必要に応じて、22週以降に1.5mg/kgごとの逐次漸増が最大投与量9mg/kgまで許された。また、22週時における増量は、疼痛および腫張関節数が少なくとも20%減少しない場合に行われ、以降は同関節数の増加を認めるたびに漸増された。

 その結果、22週目の評価では、354例のうち54例(15.3%)が基準に該当して増量対象となった。別の51例(14.4%)では22週目に増量を必要としなかったが、それ以降で増量対象になった。結果として、増量違反の5例も含め354例中110例(31.1%)に増量が行われ、そのうち67例(18.9%)には4.5mg/kgまでの増量が、23例(6.5%)には6.0mg/kgまでの増量が行われた。それ以外の患者20例(5.7%)には、7.5mg/kgないしは9.0mg/kgまでの増量が必要であった。また、これら増量した患者では、その大半において目標とした治療成績(疼痛および腫脹関節数の減少)が得られていた。

 START試験の統括者であるDavid Yocum氏は、本結果をうけて次のように語った。「長期の試験においてインフリキシマブの増量を必要とせず、3mg/kgでコントロールできた患者が約7割にも及んだことは大変すばらしい結果であった。これは試験計画当初の予想を超えており、インフリキシマブ3mg/kgの有用性を明確に示す結果となった」。 (水田吉彦、医学ジャーナリスト)

*本演題は海外で実施された臨床試験であり、インフリキシマブの国内未承認用量が含まれます。

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