2004.10.18

関節炎患者に睡眠障害が頻発、痛みが主犯格−−カナダにおける調査で明らかに

 カナダにおける地域健康サーベイを基にした調査で、関節炎、またはリウマチ系疾患と診断された群では、不眠や日中の眠気などの睡眠障害が多いことが分かった。10月16日のプリコンファレンスで開催されたポスターセッション「関節炎の経済・社会・精神学的影響」で、カナダ・トロントの医療グループUniversity Health Networkの研究機関であるToronto Western Research InstituteのDenise Power氏(写真)が報告した。

 Power氏らの研究グループはカナダ地域健康サーベイランス(CCHS)に登録された2000年と2001年のデータから、20歳以上の13万880人分を抽出し、分析に用いた。調査では、医師による関節炎またはリウマチ疾患の診断の有無と4種類の睡眠障害(不眠、睡眠の質の低下、日中の眠気、睡眠時間の不足)の有無、人種、性別、飲酒・喫煙、ストレスなどについて聞き取りを行った。調査結果はカナダ全体の状況を示すように重み付けを行っている。

 調査の結果、関節炎患者は、そうでない群に比べ、睡眠障害が2倍前後と大幅に多かった。特に不眠は2.33倍と多く、次いで睡眠の質低下の1.95倍、睡眠時間の短縮(6時間未満)の1.93倍、日中の眠気の1.59倍の順で、いずれも有意に多かった。年齢と睡眠障害には顕著な関連性は見られなかった。

 4種類の睡眠障害に対して関節炎の有無のオッズ比を見た場合、すべての睡眠障害について有意に1を超え、関節炎が睡眠障害の要因になっている可能性を示唆しているが、痛みについて調整するといずれの睡眠障害についてのオッズ比も大きく減少した。このことからPower氏は、痛みが関節炎と睡眠障害の関連性に大きく寄与していると見ている。

 なお、本研究でカナダにおける関節炎の有病率は17.3%であることが明らかになっている。カナダでは関節炎の治療、特に痛みの改善が睡眠障害患者の増加をくい止めるのに貢献しそうだ。(中沢真也)

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