2004.10.18

【米国リウマチ学会速報】 股・膝関節全置換術は長期的な医療費を削減する可能性

 股関節と膝関節の全置換術は、長期的には医療費を削減する可能性があるようだ。手術の直前・直後を除く術前・術後1年間の長期的な医療費を比較したところ、術後の医療費の方が安いことを示す研究結果が出た。これは、カナダUniversity of TorontoのGillian A. Hawker氏が、10月16日のポスターセッションで発表したもの。

 関節全置換術の前後の医療費について短期的に調べた研究は既にあるが、このように長期に渡って調べた研究は珍しい。また、特定の地域に住む人を対象に追跡した同種の研究は、これが初めてという。

 Hawker氏は、カナダの2地域に住む、人口計2411人について追跡し、その中で関節全置換術を行った132人について調査を行った。この2地域は、1つが都市部、もう1つは地方部を選んだ。132人の平均年齢は70歳、うち女性は75.8%だった。関節炎の痛みと機能性についての指標であるWestern Ontario MacMaster University Osteoarthritis Index(WOMAC)の平均スコアは、96中43.2だった。

 手術を行った人の、術後6カ月から1年間にかかった医療費と、術前6週間からその1年前までにかかった医療費について比較した結果、関節炎の治療にかかった医療費は、術後の方が400ドル低かった。

 さらに詳しく分析した結果、都市部に住んでいる人、教育レベルが比較的低い人、術前のWOMACスコアが低い人の方が、それぞれ術後の医療費が安くなる傾向があったという。

 なおカナダでは、関節全置換術を必要とする患者の待機期間が長い点が問題になっている。Hawker氏は、この研究結果は、関節全置換術を必要とする人が適時に受けられるようにすることの重要性を、支持するものだとしている。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 眼科専攻医登録数、愛知県の人数はなぜ突然変わった… ニュース追跡◎専門医機構の内部資料から見えてきたこと FBシェア数:43
  2. 腎機能を確認せずに造影CTを行うのは罪? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:86
  3. 1歳男児。躯幹の小丘疹と手掌・足底の水疱 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  4. 手術で体重3割減、合併する糖尿病も高率で寛解 トレンド◎肥満外科治療が日本でも普及の兆し FBシェア数:156
  5. 76歳女性。動悸、ふらつき 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  6. スタチンだけで下げられないリスクを減らすか? トレンド◎フィブラート系薬に20数年ぶりの新薬ペマフィブラート登場 FBシェア数:15
  7. 尿閉を生じた高齢患者で想起すべき疾患は? カンファで学ぶ臨床推論 FBシェア数:36
  8. 糖尿病による合併症、忘れてはいけない認知症 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:29
  9. 見えにくい静脈への穿刺を助ける新兵器 リポート【動画付き】◎血管可視化装置の使い勝手は? FBシェア数:96
  10. 「腹膜透析は使えない」は過去のもの 日本透析医学会理事長の中元秀友氏に聞く FBシェア数:13
医師と医学研究者におすすめの英文校正