2004.10.18

ウィルムス腫瘍の術後化学療法は短縮可能−−RCTの結果から

 ウィルムス腫瘍の治療成績は向上した。現在は、効果を維持しながら治療期間を短縮する努力が続けられている。オランダの研究者らは、無作為割付比較対照試験を行い、ステージ1で、中等度リスクの腫瘍または未分化ガンの場合、術後の化学療法は、現行の18週でなく4週に短縮できることを示した。詳細は、Lancet誌10月2日号に報告された。

 ウィルムス腫瘍患者に対する術前化学療法は、1980年代後半から標準治療となっている。術後化学療法については、ステージ1患者で短縮可能が示唆されていた。

 1993年に開始されたこの試験では、410人の患者がほぼ2等分された。外科的切除後、両群に週1回のビンクリスチン投与4回と1コースのダクチノマイシン治療が行われた。その後9週まで観察、標準治療群には10週から17週にかけてさらに2回、同様の治療が行われた。実験群はそのまま経過観察となった。

 主要評価点は2年間の無症候生存率におかれた。2年間に再発を見た患者は、標準治療群で18人、実験群で22人だった。無症候生存率は前者が88.8%、後者が91.4%だった。追跡5年では、無症候生存率は、標準治療群91%、実験群88%、全体的な生存率はそれぞれ97%と95%だった。いずれの生存率にも有意な差はなく、化学療法の期間短縮は、効果を維持しながら、副作用と患者や両親の負担を軽減でき、医療費の面でも利益があると考えられた。

 論文のタイトルは「Reduction of postoperative chemotherapy in children
with stage I intermediate-risk and anaplastic Wilms' tumour (SIOP 93-01
trial): a randomised controlled trial」、概要は現在こちらで閲覧できる(Lancet誌のサイトへの登録が必要です。なお、リンク先が変更になっている場合があります。ご了承ください)。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 診療所の運動器リハ、意外だった査定の理由は? あのレセプトが削られたわけ FBシェア数:50
  2. ジェット機で患者搬送!メディカルウイング始動 トレンド◎揺れない機内で安全に、速く、遠くまで FBシェア数:96
  3. 意外と世間から誤解されている「救急」 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:68
  4. 感染研、麻疹発生で医療機関に注意喚起 パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:208
  5. 健常者の肺はどのように映るのか? 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:7
  6. 不足だけでないインフルエンザワクチンへの懸念 記者の眼 FBシェア数:310
  7. トライアスロン中の死亡と心停止例を分析 Ann Intern Med誌から FBシェア数:102
  8. 敗血症の新基準「qSOFA」を知っていますか 医師1000人に聞きました FBシェア数:9
  9. 敗血症の早期拾い上げにqSOFAを使いこなせ! 特集◎あなたが救う敗血症《プロローグ》 FBシェア数:244
  10. 医師の説明を無断録音、裁判の証拠になるのか? クリニック法律相談室 FBシェア数:266