2004.10.13

【日本高血圧学会速報】 糖尿病を合併した患者の血圧管理は「極めて不良」

 日本の高血圧患者の血圧管理は不十分であり、その中でも特に糖尿病を合併した患者の血圧管理は、降圧目標が合併のない患者より低い値にもかかわらずさらに不良であることが分かった。10月7日のポスターセッションで、東北大学大学院の小原拓氏らが発表した。

 研究グループは、外来降圧治療中の本態性高血圧患者のうち、糖尿病合併患者における血圧管理がどのようになっているか、外来血圧(CBP)と家庭血圧(HBP)を使って明らかにした。

 対象は、家庭血圧測定を実施している降圧薬服用中の本態性高血圧患者で、外来で降圧治療中の3400人。そのうち糖尿病合併患者は466人(14%)。

 研究では、主治医の自記式アンケート調査とHBP(2週間平均)に関する調査を実施した。主治医に対するアンケートでは、性別、年齢、BMI、CBP(2回平均)、既往歴、危険因子、合併症、降圧薬の処方状況、患者の血圧に対する主治医の評価(極めて良好、まずまず、不良の3段階評価)などを尋ねた。

 結果は、対象の3400人を糖尿病合併の有無で分類し比較検討した。また、外来/家庭収縮期血圧130mmHg以上と未満で、管理良好群(HBP<130mmHgかつCBP<130mmHg)、外来管理不良群(HBP<130mmHgかつCBP≧130mmHg)、家庭管理不良群(HBP≧130mmHgかつCBP<130mmHg)、管理不良群(HBP≧130mmHgかつCBP≧130mmHg)の4群に分類し、管理状況を明らかにした上で、4群の背景、処方、主治医の評価などを比較した。

 患者の背景をみると、糖尿病合併患者は合併していない患者に比べて、有意に外来血圧が高く(外来収縮期血圧;合併有145.8±16.0mmHg vs 合併なし142.3±14.1、p<0.01)、また虚血性心疾患の既往歴(16.3%vs6.9%)や腎臓病既往歴(10.5%vs4.3%)が有意に高かった(p<0.01)。α遮断薬(18.5%vs12.5%)やACE阻害薬(24.3%vs15.5%)の服用者の割合が有意に高かった(p<0.01)。

 血圧の管理状況をみると、合併患者では管理不良群が70%にのぼり、合併のない場合の66%より高率だった。これに対して主治医の評価は甘く、合併の有無に関わらず管理不良群を「まずまず」または「極めて良好」と判断していた。

 なお、合併患者の血圧管理状況は、4分類の中で、管理不良群が高齢である以外は、患者背景などに差はなかった。
 
 これらの結果から研究グループは、「糖尿病合併患者の血圧管理は、外来血圧と家庭血圧ともに極めて不良だった」と結論付けている。また、合併患者では合併していない患者より血圧管理が不良であるにも関わらず、主治医の評価に差がなかったことなどから、「糖尿病を合併した高血圧患者への積極的な降圧治療が必要と考えられる」としている。(三和護)

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