2004.10.12

【日本高血圧学会速報】 一般住民でも仮面高血圧が心血管系リスク:大迫研究

 10月8日のKeynote セッション「血圧変動」において、東北大学・医薬開発構想の大久保孝義氏は、一般住民追跡調査である大迫研究のデータを解析し、仮面高血圧が心血管系リスクであると報告した。これまでに仮面高血圧をリスクとして報告した諸外国の成績(1】2】)は「高齢者」、「男性」など対象に制限があったが、本検討の結果、一般住民を対象とした検討でも同様であることが明らかになった。  

 対象となったのは平均61歳(40〜93歳)の1332例で6割が女性である。「診療所血圧140/90mmHg以上」「日中平均血圧135/85mmHg以上」を高血圧の定義とし、日中平均血圧のみが高血圧の場合、「仮面高血圧」、いずれも高血圧なら「高血圧」、いずれも正常なら「正常血圧」とした。

 追跡開始時の背景因子に関し、「仮面高血圧群」(63例)と「高血圧群」(66例)間に有意差は認められなかった。また、仮面高血圧の頻度を降圧薬治療の有無別にみると、降圧薬服用例の19%、非服用例の10%が仮面高血圧だった。

 平均10.6年間の追跡期間中、心血管系死亡が67例、脳血管障害が112例で認められ、複合イベントとしての「心血管系死亡+脳血管障害」が152件発生した計算となった(脳卒中後27例が死亡)。

 正常血圧群(739例)を基準とすると、上記複合イベントのリスクは、仮面高血圧群で2.13(95%信頼区間:1.38〜3.29)、高血圧群で2.26(1.49〜3.41)と有意に増加していた(年齢、性別、喫煙、追跡開始時の降圧薬、心疾患既往、糖尿病・高脂血症の有無で補正後)。
   
 大久保氏は「24時間血圧測定により仮面高血圧を発見・治療すれば、一般住民においても予後改善を図れる可能性がある」と結論付けた。
(宇津貴史、医学レポーター)

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