2004.10.08

【日本高血圧学会速報】 わが国でも腎障害は心血管系危険因子、E-COSTサブ解析より

 昨年の本学会において高得点演題として報告されたE-COST(The Efficacy of Candesartan on Outcome in Saitama Trial)サブ解析の結果、腎機能の低下した高血圧例では脳心合併症発生リスクが腎機能正常例に比べ有意に増加することが明らかになった。埼玉医科大学腎臓内科の菅野義彦氏が7日の臨床一般演題「薬物療法」で報告した。  

 E-COSTは直近1年間に重篤な心血管系疾患の既往を有さない高血圧2048例を、カンデサルタンを含む降圧療法群と含まない群に分け、予後への影響を比較した試験。カンデサルタン群では脳心合併症(心血管イベント;脳血管障害、狭心症、心筋梗塞、心不全)発現が有意に抑制されていた(昨年度報告)。  

 本試験では薬物療法群に割り付ける前に、腎機能で患者群を二分しており、血清クレアチニン1.2mg/dL未満を腎機能「正常群」、1.2mg/dL以上2.0mg/dL未満を腎機能「低下群」とした。したがって、「正常群」と「低下群」におけるカンデサルタン服用例と非服用例の割合は同等となっている。  

 脳心合併症発現のオッズ比を求めたところ、腎機能「正常群」では「低下群」の0.804(95%信頼区間:0.732〜0.884)となっており、「10歳若年」のオッズ比0.779(有意)と同等だった。これより菅野氏は、「腎機能低下例では心血管系疾患が有意に増加する」と結論付けた。  

 近年、欧米では心腎相関が注目されているが、わが国でも関心が高まっており、その結果、冠動脈インターベンションによる腎障害なども研究されるようになっている(関連トピックス)。  
(宇津貴史、医学レポーター)

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