2004.10.08

【日本高血圧学会速報】 降圧不十分は医師の意識に原因? HOMED-BP中間報告

 家庭血圧測定による至適降圧目標を探るために進行中のHOMED-BP(Hypertension Objective Treatment Based on Measurement by Electrical Devices of Blood Pressure )研究だが、家庭血圧125/80mmHg未満を降圧目標とする「積極的降圧群」におけるコントロール不良の原因を探ったところ、医師の意識が関わっている可能性が示唆された。東北大学臨床薬学の齊藤伸氏が、10月7日のKeynoteセッション1「介入試験」で報告した。

 HOMED-BP研究では降圧目標を、家庭血圧で125〜134/80〜84mHgとする「通常降圧群」と「積極的降圧群」に分け、イベント発生の差を比較することになっている。しかし試験開始1年後の血圧を見ると、「積極的降圧群」における目標血圧達成率は「通常血圧群」に比べ有意に低く、収縮期・拡張期ともに目標血圧に達していたのは約2割に過ぎなかった。

 また、試験開始6カ月後に目標血圧に達していない例のうち55%では、降圧治療が強化されていなかった。  

 そこで背景を探ったところ、降圧治療が強化されなかった例では強化された例に比べ、「収縮期血圧135mmHg未満」が有意に多かった(52% vs 39%、p=0.04)。

 次に「拡張期血圧の過降圧をおそれた」可能性を探るため、強化群と非強化群の拡張期血圧を比較したが、拡張期血圧が80mmHg未満まで低下していた例は、非強化群37%、強化群44%で有意差はなかった。

 また「診療所血圧で収縮期血圧が140mmHg未満」の割合も、非強化群69%、強化群63%で差はなかった。拡張期血圧90mmHg未満の割合も同様だった。

 これらより齋藤氏は「家庭血圧で収縮期血圧135mmHg未満が達成できると、医師が治療効果に満足して、それ以上治療が強化されない可能性がある」と指摘した。

 なお、HOMED-BP研究では2005年12月まで参加者を募っている。詳細はこちらまで。  
(宇津貴史、医学レポーター) 

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 診療所の運動器リハ、意外だった査定の理由は? あのレセプトが削られたわけ FBシェア数:73
  2. 辛い食事で下痢するのは機能性腸疾患の証!? 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:28
  3. 結婚や恋愛にパワーと時間はなかなか使えない Cadetto Special●女性医師の婚活事情 FBシェア数:6
  4. 意外と世間から誤解されている「救急」 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:88
  5. 「結婚は?」と聞かれるのは苦手 Cadetto Special●女性医師の婚活事情 FBシェア数:12
  6. 関節リウマチの原因は腸内細菌の乱れ Unmet Medical Needs 2017 秋 FBシェア数:20
  7. 11時間も待たされて、処方は痛み止めだけ? マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」 FBシェア数:10
  8. 電解質の良書 医学書ソムリエ FBシェア数:40
  9. こんないい薬があったなんて…! 新井翔の「I love 在宅」 FBシェア数:26
  10. 健常者の肺はどのように映るのか? 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:11