2004.10.08

【日本高血圧学会速報】 カンデサルタン vs アムロジピン、CASE-Jの現状が明らかに

 ハイリスク高血圧例に対するカンデサルタンとアムロジピンの「突然死、脳心腎合併症、血管イベント」抑制作用を比較しているCASE-J(Candesartan Antihypertensive Survival Evaluation in Japan)の中間報告が、10月7日のKeynoteセッション1「介入試験」において、大阪大学加齢医学教授の荻原俊男氏により報告された。

 CASE-Jの対象は、1.70歳未満で収縮期血圧140mmHg以上、2.70歳以上で収縮期血圧160mmHg以上、または年齢に関係なく拡張期血圧90mmHg以上−−で、脳心血管危険因子(2型糖尿病42.8%、左室肥大34.3%、重症高血圧20.2%、蛋白尿19.3%)を有する4728例である。

 バルサルタンとアムロジピンを比較したVALUEに若干類似しているが、試験開始の患者背景を比較すると、CASE-Jでは3割強が降圧薬を服用していない点は異なる(VALUEでは1割弱)。試験開始時に服用されていた降圧薬の59.7%がCa拮抗薬、50.1%がレニン・アンジオテンシン系抑制薬だった。

 これら4728例がカンデサルタン群とアムロジピン群に無作為割り付され(降圧不十分な場合、増量と他剤併用)、オープンラベルで追跡されている(PROBE法)。試験開始1年後の血圧はカンデサルタン群142/81mmHg、アムロジピン140/80mmHgだった(検定はせず)。

 本年8月の時点で突然死8例、脳血管イベント56例、心イベント46例、重篤な腎障害15例、血管イベント8例の合計133例にイベントが認められ、上記による死亡21例、その他の死亡35例が確認されている。共同座長の1人藤田敏郎氏(東京大学内科学教授)は、イベントの多さが意外だとコメントし、荻原氏は「ハイリスク故だろう」と述べている。

 藤田氏はまた、両群間の収縮期血圧に2mmHgの差がある点に興味を示し、荻原氏もCa拮抗薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬では降圧効果に差がある可能性も否定できないとの考えを示した。

 さらに藤田氏は、血圧コントロール状況が不良の場合、参加施設に対し注意を発することができるが、オープンラベル試験のため、いずれかの薬剤に肩入れするような指示が出される危惧も指摘した。具体的には「××群の血圧は厳格にコントロールしてください」という類いの指示となろう。  

 本試験の終了予定は2005年の12月ということで、荻原氏は2006年に福岡で開催される国際高血圧学会での報告が期待されると述べた。
(宇津貴史、医学レポーター)

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