2004.10.05

下落相次ぐ医療・介護株、市場をにぎわす存在に

 先週の東京株式市場で、医療・介護関連企業は、相場の主役の一人だったと言ってもいいだろう。きっかけは、9月24日に行われた東京証券取引所第1部上場のジェネリックメーカー、沢井製薬の中間決算の業績修正発表だった。売上高約123億円、経常利益約17億円の予想を、それぞれ約115億円、約6億円と大幅に引き下げたのだ。

 これを受けて沢井製薬の株価は急落、9月27日には前週末の4000円から510円安い3490円となった。この日の値下がり率12.7%は、東証1部で2番目。この影響を受けてか、同じジェネリックメーカーの東和薬品も上場以来の最安値をつけ、日本医薬品工業の株価も大幅に値を下げた。

 翌9月28日には、前日にやはり中間決算の収益予想を下方修正した医薬品卸最大手、クラヤ三星堂が15.4%の値下がり率で、東証1部の4番目となった。9月29日には、ジャスダックの介護サービス大手・セントケアが、やはり中間決算の経常利益が予想を大幅に下回ると発表した影響で、14.2%下落している。翌30日にも5%以上値を下げ、上場以来の最安値をつけた。同じ介護サービス大手のツクイも、9月24日に上場以来の最安値をつけている。

 このように業績の動向に市場が敏感に反応するのは、後発品や介護といった業種の特徴がマーケットに知られるようになってきたのが一因だろう。言うまでもなく、公的保険制度の土俵でビジネスを展開しているこれらの業種は、行政のさじ加減の影響を受け易く、企業ごとの経営努力が業績に反映される余地が、他業種に比べて小さい。1企業が業績悪化を発表すれば、他の企業も同じだと市場が見るのも不思議はない。

 もっとも、経済紙の株式欄や株の専門紙を、医療・介護関係の銘柄がにぎわすのは今までにはなかったことだ。こうした企業が投資家の間で徐々に市民権を得てきている証という見方もできる。

 2006年春には、薬価を含めた診療報酬・介護報酬の同時改定が予定されている。その時までに、もっと多くの医療・介護関係企業が上場し、株式市場に話題を提供するようになってほしいものだ。
(井上俊明、医療局編集委員)

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