2004.09.28

急ピッチで病院を新規開設する徳洲会、今後3年で国内20施設、海外展開も加速

 病院チェーンの最大手、徳洲会グループ(徳田虎雄理事長)が、従来にないハイピッチで病院の新規開設を進めている。今年に入って、4月に宇和島徳洲会病院(300床)と石垣島徳洲会病院(49床)、9月に山形徳洲会病院(292床)をオープン。現在、静岡市、千葉県四街道市と鎌ヶ谷市、東京都昭島市と町田市、神奈川県厚木市などで新規開設に向けての工事や準備を進めており、「今後3年で約20施設を開設する予定」と徳洲会東京本部の中川事務局長は話す。このようなハイペースで病院を新規開設している医療法人は、ほかに見当たらない。

 ただ、これで驚いてはいけない。徳洲会では、「日本国内だけでなく、今後、世界各地で医療施設を展開するのが徳田理事長の方針。既にブルガリアで工事に着手しており、フィリピンへの進出も決まった」(中川事務局長)という。現在、アジアやアフリカなど様々な国で、医療施設の開設を検討している。さらに国内では、医療施設の新規開設だけでなく、主要病院についても新築移転を中心にリニューアルを進めている。

 こうした新規開設や新築移転に要する費用は、おおよそ1000億円に達する見込み。現在の徳洲会グループの総売上高は約2200億円、借入金の総額は1600億円を超えるが、「医療施設の新規開設により医業収入も1000億円以上伸びるので、借入額が収入を上回ることはない」と中川事務局長は見ている。

 では、なぜこの時期に急拡大を目指すのか。様々な理由が考えられるが、一つには、地価が下がり土地を買収しやすくなっていることが大きい。今のところ銀行も前向きに融資に応じているようだ。また、今後、公的病院の統廃合が進むことが確実で、それを見越して「受け皿づくり」を進めているとも見ることができる。

 事業急拡大については不安要因もある。その第一は、借入過多による財務内容の大幅な悪化だろう。これに対してはどうやら秘策があるようだ。キーワードは証券化。徳洲会では、今年に入って診療報酬債権の証券化に取り組んでいるが、既存の病院の土地や建物も同様のスキームで証券化すれば、負債を一気にスリム化し、バランスシートを健全化することが可能になる。

 もう一つ、健康面に不安を抱えていると言われているグループ総帥の徳田理事長の動向も気になるところだ。いずれにしても、今後の徳洲会グループの動きからは目が離せない。(沖本健二、日経ヘルスケア21

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