2004.09.27

気胸と肺の部分切除には胸腔鏡下手術が有効、系統的レビューから

 英国の研究者らが、気胸、肺の部分切除、肺葉切除という3つの一般的な胸部疾患の治療に胸腔鏡下手術(VATS)を適用した場合の治療成績を開胸術などと比較した臨床試験の系統的レビューを初めて行った。その結果、気胸と肺部分切除においては、VATSの方が優れていることが示された。詳細は、British Medical Journal誌電子版に9月22日に報告された。

 レビューの対象となったのは、文献データベースから選出された12件、計670人を対象とする臨床試験の結果だ。痛みの程度と鎮痛剤の使用量、手術に要した時間、入院期間、コスト、そして気胸については治療の失敗または再発の確率を示すデータが収集された。

 12件中、気胸が対象の試験は6件で、4件はVATSと開胸術、2件はVATSと胸腔ドレナージを比較していた。全件でVATS群の鎮痛剤使用量は対照群より少なく、3件では入院期間の短縮が見られた。胸腔ドレナージとの比較では、再発や治療失敗はVATSの方が少なかった。

 肺部分切除において開胸術を比較対象とした試験は3件、うち2件でVATSの方が鎮痛剤、手術時間、入院期間が少なかった。残りの1件は差を示せなかった。

 肺葉切除の結果を開胸術と比較した試験は3件あった。しかし、治療成績に有意な差は見られず、用いられた評価点においては、VATSの利益は示されなかった。

 今回のような治療成績の比較なしに、VATSの広範な適用のためのガイドラインは作成できない。肺葉切除については、今後、開胸術とどの点で比較するのかを再考した上での試験実施が望まれると筆者は述べている。

 論文のタイトルは「Video assisted thoracic surgery for treatment of pneumothorax and lung resections: systematic review of randomised clinical trials」、現在全文がこちら(PDFファイル)で閲覧できる。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)

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