2004.09.21

基底細胞がんに対する治療、系統的レビューは切除の有効性のみ示す

 患者が多く、発症率も上昇している基底細胞がん(BCC)の第一選択治療は、切除術だが、それ以外にも多くの治療法が用いられている。今回、7種類の治療の効果を評価する系統的レビューが行われたが、この病気の臨床像が様々であり、また、長期的な追跡がなされていないため、各療法の有効性比較は不可能だった。その中で、手術は放射線治療より有効であることが示された。詳細はBritish Medical Journal電子版に9月13日に報告された。

 文献データベースに1966〜2003年12月に登録された論文を調べ、18件の臨床試験を選出した。追跡を5年間続けたのは1件のみで、結果は、術中凍結切片を作製して切除範囲を決めて実施した切除の方が、放射線治療より再発が少なく(オッズ比0.09)、放射線治療の方が、治療部分の外観を長期的に損なうことを示した。

 他の治療法の再発率は、追跡期間が短い試験も含めて評価した。冷凍療法と切除の比較は1年の時点で有意な差を示せず、長期の比較は行われていない。

 放射線治療と冷凍療法では1年の時点の再発率は冷凍療法の方が高かった。光力学的療法と冷凍療法を比較すると、1年後の再発率が25%と15%だった。腫瘍内インターフェロン治療をプラセボ(偽薬)と比較した場合には、再発のオッズ比は0.03〜0.07、5-FUの局所投与を賦形剤と比較した試験ではオッズ比0.17、イミキモド・クリームと賦形剤の比較ではオッズ比は0.02〜0.07で、それそれ有効が示された。しかし、これらの治療と外科的切除との比較は行われていない。

 治療法の選択にとって重要なデータを得るため、被験者のBCCのタイプと部位、サイズを調整した上で、これら治療法と切除術の効果を比較するシンプルかつ長期的試験を行う必要がある。

 論文のタイトルは、「Interventions for basal cell carcinoma of the skin:systematic review」、現在全文がこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 今冬はインフルエンザワクチンには頼れません! 特集◎いつもと違う! 今冬のインフルエンザ《1》 FBシェア数:116
  2. インフル迅速検査、全例には必要ありません! 特集◎いつもと違う!今冬のインフルエンザ《2》 FBシェア数:197
  3. 「たかが過換気」と侮ってはいけない 酸・塩基・電解質マネジメント FBシェア数:5
  4. 白衣にネクタイ、する? しない? 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:48
  5. その単語選んでちゃ論文の価値が下がりますよ! 英文校正者が教える医学論文執筆の極意 FBシェア数:0
  6. 初期臨床研修の内容・評価基準が大幅改定へ 7科必修化、コミュニケーション能力などの評価が追加 FBシェア数:40
  7. 内科系診療科をたらい回しにされ、最終的には… 医学と看護の交差点でケアを考える FBシェア数:31
  8. 内科専攻医数、過去3年平均から21%も減少 人口10万人当たり最多は東京都の3.83人、最少は高知県の0.70人 FBシェア数:157
  9. 耳症状のみ、ANCA陰性でも注意深く観察を ANCA関連血管炎性中耳炎を学ぶ FBシェア数:0
  10. 血圧ビッグデータからエビデンスは作れる インタビュー◎上島弘嗣氏(滋賀医科大学アジア疫学研究センター) FBシェア数:55