2004.09.21

咽喉感染やアデノイド口蓋扁桃肥大が軽度の小児患者、アデノイド口蓋扁桃摘出術は無効−−RCTの結果から

 咽喉感染またはアデノイド口蓋扁桃肥大が軽度の小児に対するアデノイド口蓋扁桃摘出術の効果を調べるために、オランダの24施設で、2〜8歳の小児300人を対象に無作為割付比較対照試験が行われた。その結果、手術から6カ月を過ぎると、摘出群、観察群の間に有意な差はなくなることが明らかになった。詳細は、British Medical Journal誌電子版に9月10日に報告された。

 小児対象の扁桃摘出術は、西欧では一般に行われている。しかし、適応基準が明確でないため、手術適応率は1万人当たり50〜115人と国によって異なる。オランダでは、摘出術を受けた小児の35%は、術前、頻繁な咽喉感染か睡眠時無呼吸に苦しんでいた。が、それ以外の患者の症状は軽く、摘出術のそれら患者に対する利益を示すエビデンスは、これまで無かった。

 2000年3月から2003年2月まで行われた試験では、深刻な症状を呈する小児を除いて、患者は摘出群と観察群に割り付けられた。評価は、発熱、咽頭感染、上気道感染の発症回数と、健康関連のQOL。

 その結果、6カ月の時点では、発熱回数が切除群で年間2.97回、観察群では3.18回、咽喉感染は0.56回と0.77回、上気道感染が5.47回と6.00回と、切除群の方がいずれもわずかに少なかった。しかし、その後24カ月までに、有意な差は見られなくなった。睡眠時無呼吸のスコアおよび健康関連QOLについても同
様だった。ただし、1年間に起こす咽喉感染の回数が3〜6回の小児に限定すれば、摘出術は有効を示すデータが得られた。結果は年齢とは無関係だった。なお摘出術群の6%に出血などの合併症が見られた。

 論文のタイトルは「Effectiveness of adenotonsillectomy in children with mild symptoms of throat infections or adenotonsillar hypertrophy: open randomised controlled trial」、現在、全文がこちら(PDFファイル)で閲覧できる。 
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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