2004.09.14

MMRワクチン接種と広汎性発達障害発症はやはり無関係、ケース・コントロール研究で証明

 新3種混合ワクチンMMRの接種と自閉症との関係が指摘された1998年以降、英国におけるMMR接種率は10%低下した。特に麻疹ウイルスと自閉症児の腸病変との関わりが示されたため、ワクチン接種を控える親が増え、結局、麻疹の流行が起こった。今回、英加の研究者たちは、ワクチンと自閉症または他の広汎性発達障害(PDD)との関係を否定する、さらなる証拠を得るために、厳密なケース・コントロール研究を行った。その詳細はLancet誌9月11日号に報告された。

 研究者らは、一般診療で得られた患者の長期的データを匿名で登録した世界最大のデータベース、UK General Practice Research Database(GPRD)を利用した。

 PDDという診断が下った時の記録があり、GPRDが開設された1987年から2001年までの診療記録が残っている人の中で、条件を満たしたのは患者1294人、対照群4469人だった。診断がつく前にMMR接種を受けていた患者は1010人、対照群で同時期までに接種を受けていたのは3671人で、MMR接種と発症との関係を示す年齢調整後のオッズ比は0.86となった。3歳未満で接種を受けたケースに限定した場合の調整後オッズ比は0.9、3歳以上の接種では0.77、生後18カ月未満の接種で0.9、それ以降の接種は0.8、また、自閉症のみが対象では0.88、他のPDDでは0.75だった。

 さらにPubMedとEMBASEという文献データベースを利用し、メタ分析も行った。他の3件の研究結果と今回の結果を総合した相対的なリスクは、0.87となった。以上の結果は、MMR接種が、PDD発症リスクを上昇させないことを再度確認した。

 論文のタイトルは「MMR vaccination and pervasive developmental disorders:a case-control study」、アブストラクトはこちらで閲覧できる(Lancetのサイトへの登録が必要です)。 (大西淳子、医学ジャーナリスト)

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