2004.09.07

プライマリ・ケア施設におけるうつ病治療、系統的管理モデルの有用性が評価される

 近年、日本でも著名人が体験談を公表するなど、うつ病に関する理解は進んでいるように見える。しかし、治療となると専門医に任されているのが実際だろう。一方で、米国では、うつ病治療の質の向上をめざす系統だったアプローチが進んでいる。その有効性を示す臨床試験結果が9月2日、British Medical Journal電子版に報告された。

 米国MacArthur財団のInitiative on Depression and Primary
Care
は、プライマリ・ケア施設における系統的なうつ病治療として、科学的証拠に基づくうつ病管理モデルを開発、評価を進めている。

 この治療システムは、プライマリ・ケア医および協力関係にある精神科医、そしてケア・マネージャーの協力により実施される。財団は、これら3者の
教育のための教材と、プライマリ・ケア医師のためのツール・キットというリソースを提供する。現在、システムの評価が進行中で、今後は健康保険会社も取り込んで利用拡大が図られる見通しだ。このシステムは、導入が容易であることから、海外からも注目を集めている。

 今回、米国の60を越える施設で、18歳以上の患者405人を対象に、通常の治療(対照群)と同財団のシステム(治療群)の有効性を比較する無作為割付試験が行われた。抗うつ剤の使用に差はなかったが、治療群の患者たちは頻繁に電話でのサポートを受けていた。

 6カ月の時点で、治療に反応した患者の割合は治療群60%、対照群47%、緩解誘導率は前者が37%、後者が27%だった。患者自身による治療の評価は、前者の90%が「優」または「良」で、後者ではそれが75%だった。

 論文のタイトルは「Re-engineering systems for the treatment of depression in primary care: cluster randomised controlled trial」、現在全文がこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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