2004.09.06

フランスで不法持ち込みの犬が狂犬病発症、接触者9人を捜索中

 いったん発症すればほぼ100%死亡する「死の感染症」である狂犬病に感染した犬が不法にフランス国内に持ち込まれ、発症・死亡した。フランス保健当局はこの犬と濃厚接触した9人の行方を追っている。世界保健機関(WHO)がフランス保健当局からの情報として、9月1日に発表した。

 この犬はアフリカ大陸北西部のモロッコから持ち込まれた4カ月のメスで、今年7月初旬、登録も狂犬病ワクチンの接種も行われないまま、不法にフランス国内に持ち込まれた。飼い主はボルドー市内在住で、8月18日にこの犬が狂犬病で発症、同月21日に死亡するまで、市内やフランス南西部を連れて回り、多くの人や犬などと接触した。中には何人かに噛みついたことも分かっている。

 保健当局は、既に数人の接触者を特定し、狂犬病の治療を施しているが、子どもを含む9人の濃厚接触者を捕捉できていないため、犬の特徴や接触の日時などを公表して、治療の呼びかけを急いでいる。

 狂犬病は狂犬病ウイルスによって発症する人獣共通感染症で、潜伏期間は約1カ月、発症すればほぼ100%死亡する。発症後の治療法はなく、感染の疑いがある場合は、狂犬病ワクチンと抗狂犬病グロブリン投与を行う。日本では1957年以来、40年間以上国内での発生はないが、WHOによれば、世界的にはいまだに年間3万5000人から5万人の命を奪っている。駆逐できているのは、日本やオーストラリアなどの他地域と海で遮断された数少ない地域だけで、南北アメリカ、欧州などでも駆逐しきれないでいるという。

 WHOのプレスリリースはこちらまで。(中沢真也)

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