2004.09.03

MRSA院内感染管理のための隔離基準、臨床試験での評価は困難だが現在の対策の継続が必要

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の院内感染の抑制を目的に使用されている隔離基準を評価するため、英国の研究者たちは、文献データベースから論文を選出し、系統的調査を実施した。その結果、臨床試験設計とデータ解釈の難しさが明白になった。しかし、隔離を含む総合的対策が院内感染を減らせることは確かであり、今後もそれらの実施が必要だと結論付けた。詳細はBritish Medical Journal誌電子版に9月2日に報告された。

 MRSAの院内感染の多くは、医療従事者により仲介されると考えられている。これを防ぐ基本的対策は、手洗い、抗生物質の使用の制限、感染の検出と隔離の3つだ。各国の指針の中心は検査と隔離にあるが、隔離コストの問題は深刻で、継続的適用の有効性も証明されていない。隔離基準の有効性に関する系統的研究さえ、今回が初めてだ。

 今回評価された論文は、隔離病室の使用や、患者を隔離し看護に当たるスタッフを専任として他の患者との接触を回避する看護師コホーティング、また、個室の提供や、ガウン、手袋、マスク等の使用といった方法の有効性を調べている。が、ほぼ全てが複数の対策や治療を用いており、データ分析でも統計学的解析が不適切な研究が多く、隔離基準の有効性のみを評価できる、厳密な設計の試験はなかった。隔離法のコスト効果を調べた研究も1件もない。それでも、隔離を含む複合的努力の有用性は明らかだった。従って、他の方法の優位性が証明されるまでは、既存の隔離基準を引き続き適用すべきだ、と研究者たちは述べている。

 論文のタイトルは「Isolation measures in the hospital management of
methicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA): systematic review of the literature」、現在、こちらで全文が閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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