2004.08.30

インフルエンザ薬「タミフル」、投与された小児患者の18%から耐性ウイルス検出

 インフルエンザ・ウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を阻害する経口薬、Oseltamivir(商品名;タミフル)については、先に厚生労働省が、国と都道府県で1000万人分の備蓄を決めたが、東京大学医科学研究所の河岡義裕氏らは、小児にこれを用いた場合、予想を超える耐性ウイルスが出現することを明らかにし、Lancet誌8月26日号に報告した。

 河岡氏らは、タミフル投与を受けた50人の小児インフルエンザ患者(8割が5歳以下)から、治療開始前と後に、鼻腔ぬぐい液、咽頭ぬぐい液、または鼻腔吸引液を採取して、H3N2型ウイルスのNA遺伝子とヘマグルチニン遺伝子の配列を調べた。

 その結果、18%(9人)の患者から変異型NA遺伝子が見つかった。うち6人から見つかったArg292Lys変異と2人から検出されたGlu119Val変異は、タミフル耐性をウイルスに付与することが知られていた。残りの1人からはAsn294Ser変異が見つかった。これらの変異を持つウイルスのタミフル感受性を治療開始前に分離されたウイルスと比較したところ、それぞれ104〜105倍、500倍、300倍になっていた。耐性ウイルスは治療開始から4日目に現れたが、この時期でも他者に感染させるに十分なウイルスが患者から排出されており、患者は、耐性ウイルスの感染源になる恐れがあると考えられた。

 論文の原題は、「Resistant influenza A viruses in children treated with oseltamivir: descriptive study」、アブストラクトは、Lancetのホームページで閲覧できる(Lancetのホームページへの登録が必要です)。
(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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