2004.08.26

甘いソフトドリンク好きの女性はご用心、2型糖尿病と体重増加のリスクに

 甘いソフトドリンクには、通常サイズ1缶(350mL)に、50gの板チョコ1枚分に匹敵する約33gもの砂糖(ショ糖や果糖)が含まれていることは意外に知られていない。看護師を対象とした米国における8年間の前向きコホート研究の結果、これらの飲料を毎日1本以上飲み続けた成人女性では、ほとんど飲まない女性に比べ、2型糖尿病発症リスクが約1.8倍高いことが分かった。また、調査期間中に飲む量が増えた群では体重増加が特に著しいことが判明した。米Harvard大学公衆衛生校予防医学部のMatthias Schulze氏らの研究で、米医師会誌のJournal of American Medical Association誌2004年8月25日号に掲載された。

 対象としたのは、1989年時点で米国の24〜44歳の女性看護師11万6671人の参加を得て開始された前向きコホート研究「Nurses’Health StudyII(NHSII)」の参加者で、1991年から1999年までの8年間について、所定の調査を完了した9万1249人(2型糖尿病)、5万1603人(体重変化)について分析した。

 調査期間中に新たに2型糖尿病を発症したのは741人で、ソフトドリンクを1カ月に1本未満とほとんど飲まない群を1とした相対リスクは、年齢、糖尿病の家族歴、飲酒、喫煙などで調整した場合、月に1〜4本では有意差が見られなかったが、週2〜6本では1.49倍、1日1本以上では1.83倍と有意に高かった。ダイエットコーラや果汁は関連性が見られなかった。

 体重については、1991〜1995年の前半4年間と1995〜1999年の後半4年間の摂取量を調査し、1991年、1995年、1999年の3回体重を測定した。その結果、1991〜1995年の4年間にすべての群で体重が増加したが、年齢、糖尿病の家族歴、飲酒、喫煙などで調整した場合、ソフトドリンクの摂取量が1週間に1本以下から毎日1本以上に増えた群で4.69kgと最も増加量が多かった。逆に最も少なかったのは毎日1本以上から1週間に1本以下に減少した群で、1.34kgの増加に留まった。興味深いのは、摂取量に変化がなかった場合、週1本以下の群では3.21kg、毎日1本以上の群では3.12kgとほとんど同じだったことだ。

 後半の体重変化を含めて比較すると、体重変化はぎょっとするほど異なる。最も増加した群は、前半の4年間にソフトドリンクを飲む量が週1本以下から毎日1本以上に増え、その後、飲む量が変わらなかった群で、8年間に8.0kg増加した。逆に最も少なかった群は前半の4年間にソフトドリンクを飲む量が毎日1本以上から週1本以下に減少し、その後、飲む量が変わらなかった群で、8年間に2.2kgしか増えなかった。

 2型糖尿病の発症リスク増加や体重増加の要因として、ソフトドリンクに含まれる多量の糖による摂取エネルギー量の増加を指摘している。実際、月1本以下の群の平均摂取エネルギー量が1日1689kcalであるのに対して、毎日1本以上摂取群では2113kcalと大幅に多い。「ソフトドリンクを摂取しても食事の摂取は減らず、むしろ促進する傾向すら見える」と著者は指摘している。

 ただし、この根拠では、ソフトドリンクを飲む量が長期的に変わらない場合、週1本以下でも毎日1本以上でも体重変化に大差がないことを説明できない。この点について著者は、長期摂取の影響についての実験的研究が必要との言及にとどめている。

 砂糖入りのソフトドリンクが飲みたくなった時は、1缶にコーヒーなどに入れるスティックシュガー(3g入り)11本分もの砂糖が入っていることを考え、飲む本数を減らしたり、その分、食事を控える努力が必要だ。なお、缶ビール1缶(350mL)のエネルギー量もコーラ類とほぼ同じ。まだまだビールのおいしい季節だが、1日の総エネルギー量を増やさないように努める必要性は頭の片隅に置いておくべきだ。

 本論文の原題は、「Sugar-Sweetened Beverages, Weight Gain, and Incidence of Type 2 Diabetes in Young and Middle-Aged Women」。現在、全文をこちらから無料で閲読できる。(中沢真也)

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