2004.08.25

【再掲】2型糖尿病へのアトロバスタチン投与で、心血管疾患リスクが37%減

 2型糖尿病患者は心血管疾患リスクが高いことが知られているが、アトロバスタチンの投与で、同リスクが37%も減少することが分かった。特に心筋梗塞リスクは、およそ半減するという。これは、英国Royal Free and University College Medical SchoolのHelen M. Colhoun氏らが2800人超を対象に行った、多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験で明らかにしたもので、8月24日発行のランセット誌で発表した。早期に望ましい結果が得られたため、同試験は予定よりも2年早く終了した。

 同試験は、英国とアイルランドの132施設で行われた。被験者は合計2838人。2型糖尿病で心血管疾患の病歴がなく、LDL(低比重リポ蛋白)コレステロール濃度4.14mmol/l以下、トリグリセリド値6.78mmol/l以下で、さらに、網膜症、アルブミン尿、高血圧症、その時点での喫煙のうち、いずれかがあてはまる人。年齢は40〜75歳だった。Colhoun氏らは被験者を2群に分け、一方にはアトロバスタチン10mg/日を、もう一方にはプラセボを投与した。追跡期間の中央値は3.9年。

 その結果、追跡期間中に急性冠動脈性心疾患イベントや冠動脈血管再生、心筋梗塞のうちいずれかが起った人は、プラセボ群で127人、アトロバスタチン群で83人だった。これをリスク減少率に直すと、アトロバスタチン群はプラセボ群に比べ、心血管疾患イベントの発症リスク減少率は37%(95%信頼区間:52〜17)だった。これは、今回の研究対象となったような人1000人を4年間治療すると、血管疾患イベントを37回予防できることに等しいという。

 さらに、同発症リスク減少率について、個々のイベントごとに見てみると、急性冠動脈性心疾患イベントは減少率36%、冠動脈血管再生は同31%、脳卒中は同48%だった。

 Colhoun氏らは、2型糖尿病患者に対するアトロバスタチン投与は、対象となる患者が特に心血管疾患リスクが低い場合を除き、効果が期待できるとしている。

 論文のタイトルは「Primary prevention of cardiovascular disease with atorvastatin in type 2 diabetes in the Collaborative Atorvastatin Diabetes Study (CARDS): multicentre randomised placebo-controlled trial」。

 同研究結果のアブストラクトは、ランセット誌のホームページで見ることができる。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

■ 訂正 ■
 4段落目の「心筋梗塞は同48%だった」は「脳卒中は同48%だった」の誤りでした。お詫びして訂正いたします(MedWave編集長 三和護)。

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