2004.08.16

オーラルセックスの「普通の行為」化でクラミジア咽頭感染が増えている

 かつては特別な行為だったオーラルセックスが、ごく普通のパートナーが日常的に行う性行動になったようだ。その結果、クラミジア咽頭感染が増え、感染拡大の一因になっているという。岐阜大学医学部附属病院成育医療・女性科の三鴨廣繁氏らの研究グループが、国立感染症研究所感染症情報センターの病原微生物検出情報月報2004年8月号で報告した。

 研究グループは、風俗産業従事者(CSW:commercial sex worker)ではない性体験のある一般女性122人を対象にアンケートを実施した。その結果、性行為の際、オーラルセックスを「必ず行う」「50%以上の割合で行う」とした人が77%を占め、行わない(経験がない)は8%に過ぎなかった。しかも、「必ず行う」「50%以上」の回答は30歳以上では57%だったのに対し、20歳代では81%、20歳未満では90%と若いほど高く、近年では性体験の初期から当然の行為として受け入れられている様子がうかがえる。

 こうした性習慣の変容に伴い、クラミジア咽頭感染が増えているようだ。2002年にCSWと一般女性のクラミジア感染状況を調査した結果、子宮頚管に感染が認められた女性がCSWで32%、一般女性で11%、咽頭感染者はCSWで18%、一般女性で2.6%だった。

 困ったことにクラミジア咽頭感染は性器感染よりも除菌しにくいという。1錠を1回だけ服用すれば除菌が完了することから、「手軽に治ると思われて教育上よくない」という批判まであるアジスロマイシン1000mg単回投与を実施した場合、治療終了後の除菌率は子宮頚管では100%だったが、咽頭では86%に過ぎなかった。7人に1人は除菌に失敗する計算だ。三鴨氏らは、性器クラミジア感染が見つかった場合、積極的に咽頭の感染状況も検査すべきだとしている。

 本論文の全文はこちらで閲読できる。(中沢真也)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 難治性皮膚潰瘍を再生医療で治す リポート◎大リーガー田中将大投手のケガも治したPRP療法とは? FBシェア数:11
  2. トイレにこそ、人間の尊厳がある Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:470
  3. 輸液の入門書 医学書ソムリエ FBシェア数:0
  4. わいせつ容疑の外科医、初公判で無罪を主張 「乳腺科医のプライドにかけて無罪を主張します」 FBシェア数:568
  5. 医療者は認知症家族との暮らしが分からない 患者と医師の認識ギャップ考 FBシェア数:127
  6. 野菜食べてる? 村川裕二の「ほろよいの循環器病学」 FBシェア数:83
  7. 難治性慢性咳嗽にボツリヌスが効く!? Dr.倉原の呼吸器論文あれこれ FBシェア数:52
  8. 広がる安易な帝王切開、母体死亡率高まる危険性 国境なき医師団が見た世界の医療現場 FBシェア数:27
  9. 金属に対する生体吸収ステントの優位性示せず Lancet誌から FBシェア数:94
  10. 下血? 血便? 赤いの? 赤くないの? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:132