2004.08.03

医療従事者の「燃え尽き」、ほとんどケアされず

 先日のメールマガジンで、どちらかと言えば軽視されがちな点で「医師をはじめとする医療関係者の精神的なサポート」が47.5%と高率だったことを報告しました。これに対し、「日本の医療環境の元では、患者さんと医師・医療者が向き合うのが精一杯で、高率に発生している医療従事者の『燃え尽き』は残念ながらほとんどケアがなされていないように感じています」とのお手紙をいただきました。何か手を打たなければ、日本の医療の土台が崩れてしまうのではないか、と心配になってしまいました。具体的なサポートをしている事例はないものでしょうか。ご意見、ご批判、お待ちしています。(三和)

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 初めての通信ながら、非常に重要なご指摘をされていたのでメールさせていただきました。

 下の文章に書かれてあったことは、まさしく「意を得たり!」でした。「貧しい」日本の医療環境の元では、患者さんと医師・医療者が向き合うのが精一杯で、高率に発生している医療従事者の「燃え尽き」は残念ながらほとんどケアがなされていないように感じています。

=======================
先週のメールマガジンから

■先だって行いました「癌治療の将来に関するアンケート調査」では、どちらかと言えば軽視されがちな点で、「医師をはじめとする医療関係者の精神的なサポート」が47.5%と高率でした。医療関係者の置かれている環境、専門家ゆえのストレスなどを再考すべきことをうかがせています。癌治療に限らず、皆様のところでは、医師をはじめとする医療関係者の精神的なサポートについて、具体的な対策をとっていらっしゃいますでしょうか。

=======================

 ある意味では、これは日本の貧弱なメンタルケアの状況を端的に示しているのでしょう。

 医療者と患者と双方がスクラムを組んで改善に取り組まなければ、コスト削減が叫ばれる現在と今後、より恐ろしい状況が生じているかも知れない、と危惧しています。

 ただ、患者サイドは医療の状況を十分に把握している訳でなく、医療者側は多忙かつストレスフルな日常の中で意見、考えの発信もおぼつかない状態で、互いに不幸な状態にあると思います。

 そこを繋ぎ、警鐘を鳴らし、社会の課題として取り上げていくのは医療ジャーナリズムだと思うのです。日本の医療ジャーナリズムの真価が問われていると思います。

 がん治療に限らない、非常に重要かつ、まだそこまで手が回っていない問題だと思います。そもそも、医療に携わる者は「燃え尽き」やすい立場にありますから(数年前のBMJにまさしくこのトピックに関する論評が掲載されていました)。


                   神戸アドベンチスト病院 内科
                     梁 知身(やん ちしん)

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. ズバリ!up to date問題の出題のヤマはこ… 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:39
  2. 診療拒否が違法か否かを判断する「3つの要素」 裁判官が語る医療訴訟の実像 FBシェア数:143
  3. 大阪北部で地震発生! 救急医の1日 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:175
  4. 85歳の癌患者に標準治療を行いますか? リポート◎高齢癌患者の治療適否は予後とQOLへの影響で判断 FBシェア数:147
  5. 某球団の熱烈ファンを狙った医師採用戦略 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:212
  6. 50歳男性、夜中の意識障害、痙攣 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  7. 食べられない高齢者にはこう介入する Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:174
  8. 患者トラブルの背後に隠れていた「虐待」 なにわのトラブルバスターの「患者トラブル解決術」 FBシェア数:55
  9. プライマリ・ケア連合学会が成人までカバーしたワク… 学会トピック◎第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 FBシェア数:107
  10. 身体障害を克服して信玄に仕えた 山本勘助 病と歴史への招待 FBシェア数:1
医師と医学研究者におすすめの英文校正