2004.08.02

【編集委員の目】 決算発表で明らかになったメデカジャパンと医療機関の関係

 7月30日、介護サービス・臨床検査大手のメデカジャパンは、2004年5月期の決算を発表した。事前に業績修正を行い、医療機関などへの貸倒引当金を積み増して多額の赤字を計上する旨公表していたので、同社が医療機関とのつながりをどこまで公表するかが注目された決算説明会だった。

 メデカジャパンは、臨床検査部門を分社化し介護事業を柱に据えるために、医療機関などへの債権を厳格に評価し直して、約31億円を新たに貸倒引当金に繰り入れた。そのため、連結売上高は2003年5月期に比べ37億円以上増加したにもかかわらず、連結での当期利益は約13億円4000万円の赤字になった(前の期は4億3900万円の黒字)。

 これに関して、出席した証券会社のアナリストらから経営陣に厳しい質問が飛んだ。それに対する回答の中で、同社幹部は「取引先の地域の中核病院で経営が悪いところの再建の手伝いをしたため、売掛金の回収が長期化した」「それらの病院やその土地・建物を所有している会社への貸付金が、キャッシュフロー計算書に反映されている」などと明らかにした。「支援先の病院は、昨年9月までにすべて療養病床に転換したので、今回の決算で処理は終えたと考えている」という発言もあった。

 同社と医療機関との密接な関係は、前身の関東医学研究所時代から、医療界ではよく知られている。今回その一端が会社側から公表されたわけだ。もちろん、取引先の経営が厳しい場合、債権の回収を猶予したり、資金援助をしたり、場合によっては人を送り込んで経営支援をすることは、産業界ではごく普通に行われていることに過ぎない。ただ、その相手が医療機関となると、営利企業の参入禁止規定との関係上、多少口ごもりたくなるのも無理はない。その点、今回のメデカジャパンの情報開示は、事前に予想したよりは突っ込んだ内容だった。

 メデカジャパンの神成裕社長は、「思い切って不良債権の処理をした」と語る。介護事業の拡大に注力し、東京証券取引所第1部への上場を目指すという。一般産業界では、このように自社に必ずしもプラスではない情報も積極的に公開していくことが、結果的に市場の信頼を高め企業の成長につながるという認識が広がっている。こうした情報開示の重要性は、医療機関にとっても変わらないはずだ。
(井上俊明、医療局編集委員)

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