2004.07.16

カルニチンで精子が元気になる! 精子無力症患者30人中4人で、おめでた

 ダイエットサプリメントとして人気のLカルニチンと、その代謝産物であるアセチルLカルニチンを一緒にとると、精子の動きが良くなることがわかった。米国生殖医学会が発行する学術誌「Fertility and Sterility」6月号に掲載された研究結果による。

 この研究は、精子の運動率が低下した精子無力症の患者(20〜40歳の男性)を対象に行った、イタリアでの二重盲検試験。60人の精子無力症患者を2グループにわけ、一方には、Lカルニチン(1日2g)とアセチルLカルニチン(1日1g)を、もう一方にはプラセボを、6カ月間のませた。
 
 するとカルニチン摂取群では、精子の濃度、前進運動率、トータルの運動率、の全てがプラセボ群より良くなった。特に、試験開始時の精子の活動度が悪かった人たちで、顕著な改善がみられた。また、試験期間中にカルニチン摂取群の4人のパートナーが、自然妊娠したという。

 Lカルニチンは、エネルギー代謝に不可欠なアミノ酸の仲間。自然界では、牛肉や羊肉に多く含まれている。脂肪分を細胞内の燃焼工場であるミトコンドリアに運んで燃やす作用を持つことから、ダイエットサプリメント成分としての認知度が高い。しかし、実は「精子の運動」にも大切な成分であることが最近わかってきた。

 精子の運動のエネルギー源になるのは、ミトコンドリアが作り出すATPという物質で、ミトコンドリアは精子の尻尾(鞭毛)の部分にある。ちなみに、授精のときに尻尾が切り離されるので、精子のミトコンドリアは受精卵の中には入らない。

 LカルニチンやアセチルLカルニチンは、このミトコンドリアの働きを高め、ATPをたくさん作らせるようにする。実際、精子の運動が活発な人では、精液中にLカルニチンとアセチルLカルニチンが高濃度で存在する。

 なお、今回の試験で使ったLカルニチンの量は、ダイエットサプリメントとしての摂取目安量(1日100〜500mg、上限1000mg)よりずっと多い。精子の運動能力を改善するためには、ダイエット目的のときよりもたくさんのまなければならないわけだが、カルニチンが精子を元気にする作用を持つとは、ちょっとうれしい話かも。

 この論文のタイトルは、「A placebo-controlled double-blind randomized trial of the use of combined -carnitine and -acetyl-carnitine treatment in men with asthenozoospermia」。アブストラクトは、こちらまで。(小山千穂、日経ヘルス

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. かかりつけ医の普及に本腰、でも1人開業医は… 特集◎2018年度診療・介護報酬改定のインパクト《5》 FBシェア数:2
  2. 手術で体重3割減、合併する糖尿病も高率で寛解 トレンド◎肥満外科治療が日本でも普及の兆し FBシェア数:204
  3. 疼痛治療薬が効果なし…メンタルと思いきや 「こじらせ疼痛」にどう向き合う FBシェア数:0
  4. メジャー疾患のガイドライン改訂が目白押し 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:0
  5. 腎機能を確認せずに造影CTを行うのは罪? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:134
  6. N95マスクは何度まで使えるのか? 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:0
  7. 悩ましい新・看護必要度、先進病院の対策は? 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:0
  8. 7対1看護から降りる病院、現場から反発も 特集◎2018年度診療・介護報酬改定のインパクト《2》 FBシェア数:151
  9. 小児急性中耳炎診療にある小児科と耳鼻咽喉科のギャ… 学会トピック◎第13回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会 FBシェア数:10
  10. 眼科専攻医登録数、愛知県の人数はなぜ突然変わった… ニュース追跡◎専門医機構の内部資料から見えてきたこと FBシェア数:47
医師と医学研究者におすすめの英文校正