2004.07.15

ナッツ好きの女性には胆石が少ない! 米国の大規模女性疫学研究から判明

 ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類に、新たな健康効果が報告された。ナッツをよく食べる女性には、ひどい胆石症になる人が少ないというもの。米国の女性看護師およそ8万人を、20年間追跡した疫学研究「Nurses' Health Study」から明らかになった。この疫学研究からは以前、ナッツ好き女性に2型糖尿病が少ないことが分かり大きな話題になったが、胆石との関係が明らかになったのは初めて。研究結果は「American Journal of Clinical Nutrition」誌7月号に発表された。

 Nurses' Health Studyは1976年にスタートした、世界的にも数少ない女性対象の疫学研究。全米11州から、30〜55歳の女性看護師が約12万人参加している。研究では、食事や生活習慣に関するデータを集め、定期的に健康状態を報告してもらって、様々な病気の発症に生活習慣などがどう関わっているかを調査している。

 今回は、1980年に行われた食生活調査のデータが揃っており、その時点では胆石による症状がなかった8万718人について、2000年までの健康状態との関係を調べた。

 胆石は、胆嚢(たんのう)や胆管などにできる石のような固形物。男性よりも女性、特に中年以降のやや太り気味の人に多いことがわかっている。日本人などアジア人は白人よりも胆石ができにくいが、それでも日本人成人の5〜10%には胆石がある。

 胆石があっても、5〜7割の人には何の症状も現れない。しかし、3〜5割の人には、特に油っぽいものを食べた後などに、右の上腹部が強く痛み、熱や黄疸(おうだん)が出る「胆石発作」が起こる。

 治療は、胆石を溶かす薬をのんだり、体外から衝撃波を当てて胆石を砕き、排出させることが多い。しかし、痛みがひどい場合などには、胆嚢を取り出す手術(胆嚢切除術)をすることがある。

 今回の研究で、2000年までに胆嚢切除術を受けた女性は7831人。ナッツ類を食べる頻度で5グループに分けて解析すると、ナッツ類をよく食べる人ほど、胆嚢切除術を受けるリスクが低かった。

 ただし、胆石は高齢になるほど多くなり、同年齢でも太っている人や子供をたくさん産んだ人ほど多いことがわかっている。また、米国の胆石の8割(日本では7割)は「コレステロール胆石」(コレステロールでできている胆石)で、食べ物に含まれる脂肪成分の影響を受ける可能性がある。

 そこで研究グループは、年齢や体格指数(BMI)、産んだ子供の数や、各種脂肪酸の摂取量などでデータを補正した。すると、ナッツをほぼ毎日(週に5回以上)食べる人は、ほとんど食べない(月に1回未満)人より、胆嚢切除術を受けるリスクが22%低いことがわかった。

 ナッツ類には不飽和脂肪酸やビタミンEなどの抗酸化物質や食物繊維が豊富に含まれていて、血中の悪玉コレステロールを減らすなどの健康効果が報告されている(関連トピックス参照)。

 研究グループは、ナッツに含まれる様々な健康成分が、胆嚢を切除しなければならなくなるほどのひどい胆石症を防いだとみている。胆石が気になる人は、毎日の食事にナッツ類を取り入れてみてはいかがだろう。

 この論文のタイトルは、「Frequent nut consumption and decreased risk of cholecystectomy in women」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆2004.4.19 くるみを毎日食べると、1カ月で血管の弾力性が改善、動脈硬化を防ぐ

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