2004.07.14

【トリインフルエンザ速報】 トリインフルエンザが飛び火、拡大中、ベトナム計2カ所、タイでは11カ所に感染広がる

 6月以降、アジア各地で再発している高病原性トリインフルエンザの流行が拡大の気配を見せている。懸念されるのが、初発地域に隣接していない地域への飛び火だ。生きた鳥を市場へ搬出するなどの人的要因と、渡り鳥の移動による自然要因の両面が考えられる。いずれにせよ、再び大規模な流行が起きる可能性を秘めていると言える。

 ベトナムでは、7月3日、メコンデルタ地帯北部のTien Giang郡の農場1カ所でH5亜型の高病原性トリインフルエンザ発生が確認され、7月10日までに4750羽中385羽が死亡したため、計4710羽が殺処分された。メコンデルタ地帯では6月29日に今回のTien Giang郡からおよそ200km離れた最南部のBac Lieu郡で感染が発生している。Tien Giang郡は首都ホー・チ・ミン市の南わずか70kmに位置するため、人口の多い首都圏への流行拡大も心配される。

 タイでは7月に入って1日にアユタヤ市郊外のPak Hai村で感染が発生したのを皮切りに9日に4カ所、13日には6カ所での新たな感染発生が判明、合計11カ所と急速に流行が拡大している。

 7月9日に確認・報告されたのは、首都バンコクから北へ400km弱のSukhothai県Sawan-kaloke郡の2カ所の農場で、それぞれ600羽のうち23羽、100羽のうち20羽が感染・死亡し、残りの全数が殺処分された。同じSukhotai県のSrisachanalai郡では農場1カ所で225羽中35羽が感染・死亡し、全羽が殺処分された。また、Sukhothai郡の北東部に隣接するUttaradit県のLab-lae郡の農場1カ所でも1590羽中484羽が感染・死亡し、残りの全羽が殺処分された。

 さらに7月13日までにはバンコクの北部に隣接するPhatum Thani県のNong Sair郡の1カ所と、同県Lardlumkoaw郡の2カ所、バンコクから北へ200kmほどのNakom Sawan県Kokepra郡、バンコクの北100kmほどのAmgthong県Sarmko郡、バンコクの北北西100kmほどでAmgthong県に隣接するSupanburi県Sripra郡の各1カ所の計6カ所の農場でH5亜型の高病原性トリインフルエンザが発生、判明しているだけで3カ所の計9300羽のうち430羽が感染・死亡し、残りの全数が殺処分されている。

 タイで感染が発生している地域はバンコクからタイ北部につながる幹線道路や南北に流れるチャンプラヤ河の近隣であり、生鳥の道路輸送や南北に飛ぶ野鳥、渡り鳥の飛来に関連している可能性がありそうだ。

 タイ、ベトナムとも大人口を擁する首都圏に流行が迫っていることから、農場や市場、道路近辺で人間への高濃度曝露が起きる可能性は高く、再び、トリ・ヒト感染が発生しないとも限らない。衛生当局や国際協力による警戒が必要になると考えられる。(中沢真也)

■ 参考図書 ■

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