2004.07.07

タカラバイオ、米国立癌研に悪性黒色腫の遺伝子治療用基材を供給

 タカラバイオは米国国立癌研究所(NCI)が実施する転移性悪性黒色腫を対象とした遺伝子治療の臨床試験に、遺伝子導入を効率化する組み替えたんぱく質「レトロネクチン」を供給すると発表した。

 レトロネクチンを利用する遺伝子治療法は、T細胞受容体遺伝子治療(TCR Gene Therapy)と呼ばれる方式を用いる。腫瘍組織に集積している癌患者自身の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、または末梢血リンパ球(PBL)を採取し、これに患者の腫瘍抗原を認識できるTCR遺伝子を導入する。これにより、リンパ球が腫瘍抗原を提示する癌細胞を特異的に攻撃し、癌細胞を消滅させるというもの。

 この治療法で遺伝子導入を行う際、レトロネクチンを用いる。レトロネクチンはヒトフィブロネクチン分子中のウイルス結合部位と細胞結合部位に相当する領域などから成る分子量約6万3000の組み替えたんぱく質で、標的細胞とレトロウイルスの両者に対して特異的相互作用を持ち、遺伝子導入効率を高めることができる。

 米NCIで試験中の本治療法は様々な癌抗原を認識する遺伝子をリンパ球に導入できるため、他の種類の癌に対する抗腫瘍効果が得られると期待されているという。

 プレスリリースはこちらのWebサイトを参照。(中沢真也)

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