2004.07.06

コムスンが訪問介護一辺倒の事業方針を転換、施設系サービスを急拡大

 訪問介護事業を主力とする(株)コムスン(東京都港区、折口雅博会長)が、施設系サービスを急拡大している。建設費などの初期投資が多額に上ることや、万一、事業に失敗した際のリスクが大きいことから、同社はこれまで施設系サービスにはほとんど興味を示していなかった。ところが、好調な訪問介護事業から得た豊富な資金などを活用して、2003年度からグループホームや有料老人ホームの開設を加速。訪問介護に次ぐ第2の収益の柱にしようとしている。

 同社は、2002年3月にグループホーム事業に参入。埼玉県川口市に第1号のグループホームを開設した。その収益確保にメドがついた2003年11月以降は、わずか半年間で全国に70施設を新設し、現在その数は80カ所を超えた。介護付き有老ホームについても、2003年4月に第1号の運営を始めたのを皮切りに、首都圏にさらに2カ所をオープンした。

 この結果、グループホーム・有老ホーム事業の売上高は急増。2003年6月期には2億円だった売り上げは、2004年6月期には24億4800万となる見込みだ。総売上高に占める割合も0.9%から6.7%に上昇する見通し。

 同社が施設系サービスを急拡大している最大の理由は、介護保険制度からの給付以外の収入源を確立することにある。グループホームや有老ホームは、介護報酬以外に事業者が自由に価格設定できる入居一時金などの収入が得られる。その分、訪問介護と違い、行政が取り決める介護報酬改定にあまり左右されず、収益を安定化できるわけだ。

 現在、グループホームについては、全国的な施設数の急増から開設を抑制しようとする自治体が増えているため、同社は、規制が本格化する前にできるだけ多くの施設を新設する考え。介護付き有老ホームに関しても、拡大を加速させるため、地主に建物を建ててもらいそれを借り受ける“リースバック方式”のほか、土地・建物の自社購入も併用していく。

 さらに、高齢者の独り暮らしや老夫婦世帯が急増していることに着目し、首都圏を中心に健常高齢者向け住宅事業にも進出する。診療所や同社の訪問介護事業所を併設して入居者への“安心”を担保することで、要介護状態になる前から高齢者を囲い込もうという狙いだ。既に総額200億円分をかけて東京都の7カ所の土地を購入済みで、2年後をめどに開設していく計画である。今後さらに土地を追加購入して、2000戸の供給を目指す。

 この方針転換が今後、同社の業績にどのような影響を及ぼすのか注目され
る。(豊川琢、日経ヘルスケア21

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