2004.07.06

【日本睡眠学会速報】 便秘や過敏性症候群の女性は、睡眠が「不健康」でありがち

 首都圏の成人女性を対象にした実態調査で、便通状態が睡眠に何らかの影響を与えていることが分かった。特に、若年層では過敏性腸症候群と、中高年齢層では機能性便秘と関係している可能性が高いという。7月1日のポスターセッションで、花王の小野茂之氏らが発表した。

 研究グループは、首都圏在住の25〜64歳の女性で、日勤者および専業主婦のそれぞれでランダムにサンプリングし、研究への参加同意を得た上で、睡眠と便通状態に関するアンケート調査を実施した(自己申告法、2000通を配送、回収率99.4%)。

 調査は2002年12月第1週目に中高年女性を対象に、2003年6月第1週目に若年女性を対象に行った。

 便秘状態の評価は、ローマ基準IIに準拠した。なお、回収後に、記入漏れがあったデータは除外し、現在治療中の病気が調査時の体調に影響を与えると推定された人および直接便通状態に影響するため連日の飲酒習慣がある人については、それぞれデータを除外している。

 解析対象は総数で1602人。年齢層別では、25〜34歳が368人、35〜44歳は349人、45〜54歳は574人、55〜64歳は311人だった。

 睡眠状態の評価は、睡眠健康危険度調査(白川修一郎ら、1996)により行った。睡眠健康調査は、1.睡眠維持障害関連因子、2.睡眠随伴症状関連因子、3.睡眠時無呼吸関連因子、4.起床困難関連因子、5.入眠障害関連因子、さらに、この各因子の合計得点を睡眠健康危険度得点とし、総合的な睡眠健康の良否について検討するもの。

 結果については、コントロール群、機能性便秘群、過敏性腸症候群の3つのグループで検討を加えた。

 それによると、全年齢層をまとめた解析では、対照群に比べ、機能性便秘群(p<0.01)および過敏性大腸症候群(p<0.001)で睡眠健康危険度が有意に悪化していた。

 年齢層別では、25〜34歳では過敏性大腸症候群(p<0.01)で、35〜44歳では機能性便秘および過敏性大腸症候群(ともにp<0.05)で、45〜54歳では機能性便秘(p<0.05)および過敏性大腸症候群(p<0.001)で、それぞれ睡眠健康危険度が有意に悪化していた。55〜64歳では機能性便秘で有意に悪化していた(p<0.05)。

 これらの結果を踏まえ小野氏らは、便秘状態と睡眠とは関係しており、便通状態からの検討も睡眠状態の改善を図る上で新たな検討要因になりうると考察している。(三和護)

 

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. アルツハイマー治療薬開発が進まない理由 理化学研究所神経蛋白制御研究チームシニア・チームリーダーの西道隆臣氏に聞く FBシェア数:118
  2. JCHO東京高輪病院で感染症内科医7人一斉退職 2017年4月から、ほぼ全科で土曜休診に FBシェア数:640
  3. 広がる中学生のピロリ検診・除菌 ニュース追跡◎エビデンス乏しく副作用の懸念も FBシェア数:547
  4. 酸素療法で飛んで行ったメガネ 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:69
  5. 急性肺塞栓除外のための新臨床ルールの提案 Lancet誌から FBシェア数:288
  6. なんでこんな検査を定期健診に入れている? 記者の眼 FBシェア数:206
  7. 「救急医にはアイデンティティーがない」の呪い 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:55
  8. 57歳男性。両下腿から足背の浮腫と紫斑 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  9. 大型マンション近くでも埋まらない医療モール その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:1
  10. 高齢者の微熱、実は重篤なケースも 大井一弥の「即解!高齢者薬物治療のピットフォール」 FBシェア数:34