2004.07.02

広がる在宅専門診療所、中には悪質なケースも

 診療所の経営環境が厳しくなる中で、在宅医療に特化して開業する医師が増え始めている。在宅医療のメリットは、診療所の設備投資がほとんど必要なく、開業資金が少ない点にある。しかも、患者一人当たりのレセプトの単価が高いため、経営が軌道に乗りやすい。そのため、地域医療に取り組みたいと考える若手医師が、在宅専門で開業するケースが増えている(詳しくは「日経ヘルスケア21」7月号、55ページのリポート記事「増える在宅専門診療所 その成功のポイント」を参照)。

 しかし、中にはこうしたメリットを逆手に取る悪質な在宅医療専門医もいるようだ。「在宅医療=財テク医療」などと公言する医師もいるという。例えば、症状が軽度な高齢者宅ばかりを訪問し、1回の訪問で2〜3分診療して異常がないことを確かめると患者の話も十分に聞かずに次の診療に向かう。こうして1日20〜30軒の患者宅を訪問する。

 ある在宅専門医は「じっくり患者さん一人ひとりの診療をしようと思えば、1日10〜15軒程度が普通だ。20〜30軒というのは、雑に診療しているとしか思えない。こうした在宅専門医が増えると、在?纓テ全体のイメージが悪化してしまう」と苦言を呈す。

 在宅医療では患者やその家族とのコミュニケーションが密になる分、医療の質に対する評価は厳しくなる。いい加減な診療を続けていれば、患者は確実に
離れていく。今後、在宅専門の診療所が広がって競争が激化すれば、悪質な在宅専門医は淘汰されていくだろう。(久保俊介、日経ヘルスケア21

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師のあこがれ? 「ブラックカード」の魅力 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:1
  2. 女子マネ死亡…AEDを巡る論争に言いたいこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:737
  3. 全身脱力の26歳男性の診断は? 徳田闘魂道場にようこそ〜国家試験と臨床との架け橋〜 FBシェア数:13
  4. 山梨市長逮捕で「医学部裏口入学」を考える 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:37
  5. ガイドラインを引用する訴訟が急増しています 特集◎医療訴訟の落とし穴《インタビュー》 FBシェア数:57
  6. 70歳代男性。残尿感 日経メディクイズ●腹部エコー FBシェア数:2
  7. インスリンの2回打ちって、もう古い? シリーズ◎岩岡秀明の糖尿病よろず相談所【藤沼康樹編】 FBシェア数:106
  8. 「説明を尽くしたのに敗訴」のなぜ 特集◎医療訴訟の落とし穴《動向編》 FBシェア数:513
  9. 医局に入ったら生涯収入が減るものと覚悟せよ Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:161
  10. 特集「『説明したのに敗訴』のなぜ」が生まれたわけ 編集会議 on the Web FBシェア数:130