2004.07.01

【日本睡眠学会速報】 糖尿病患者の85%に何らかの睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群の疑いは40%に迫る

 糖尿病の患者さんの85%に何らかの睡眠障害があることが分かった。群馬大学の野村みゆき氏らが7月1日に発表した。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑い例も4割近く存在し、しかもこれらの例ではSASとの関連が強いとされる肥満を認めなかったことから、研究グループは「肥満のない糖尿病患者でも積極的にSASの合併を疑う必要がある」と指摘している。

 野村氏らは、群馬大付属病院の糖尿病外来に通院中の患者197人を対象に、アンケート調査を実施。睡眠障害の頻度や程度、SASを疑わせるいびきや呼吸停止の状態、糖尿病に関連すると思われるこむら返りや下肢の異常感覚、頻尿などの状況を把握した。対象の内訳は、男性が110人、女性が87人で、年齢は21歳から86歳(平均60.3歳)、体重は33〜100kg(平均58.7kg)、BMIは16.8〜38.4(平均22.8)だった。

 その結果、全体の85%に何らかの睡眠障害があった。その内訳は、2回以上中途覚醒が59%、日中眠気59%、起床時眠気48%、1晩のトイレ回数平均2回以上41%、こむら返り36%、入眠障害35%、SASの疑い39%だった(複数回答)。

 ただ、睡眠時間の短縮や熟睡感の欠如、入眠障害の頻度はそれほど高くはなく、たとえば2時間以上週3日以上の入眠障害は7%と比較的少なかった。
 
 その一方で、連日2回以上の中途覚醒があるとした患者は35%あり、そのほとんどが夜間頻尿を伴っていた。

 糖尿病に関連すると考えられる下肢の異常感覚やこむら返りを睡眠障害の原因に挙げたのは、約10%あった。

 また、全体の52%にいびきを認めた。呼吸停止や日中の強い眠気を認める患者を「SAS疑い」とした場合、こうした患者は全体の39%に達した。「SAS疑い」のグループと「SAS疑いなし」のグループでBMIを比較したところ、SAS疑いは23.0±3.0、SAS疑いなしでは22.6±4.6と、どちらも肥満は認めなかった。
 
 なお、BMIや血糖コントロール、糖尿病罹病期間、糖尿病合併症の有無と睡眠障害の割合をみたところでは関連性は認められていない。(三和護)

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