2004.06.28

抗血小板薬、ACE阻害薬、スタチンの3剤併用は単剤・2剤投与に比べ脳卒中の程度を有意に軽減

 抗血小板薬とアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の3剤併用は、抗血小板薬のみ、またはACE阻害薬かスタチンのいずれかと2剤併用の場合に比べ、虚血性脳卒中を発症した場合に、その程度を有意に軽減する作用のあることが明らかになった。3剤を併用した人はまた、単剤や2剤に比べ、退院後にリハビリ施設などではなく、自宅に帰ることができる割合も2倍以上だった。これは、米Harvard大学のM.H.Selim氏が、6月24日の一般口演で発表したもの。これまで、3剤併用が、抗血小板薬単独やACE阻害薬かスタチンのいずれかとの2剤併用に比べ、虚血性脳卒中の発症リスクを減らすことは知られていたが、実際に発症した場合に、その程度に与える影響は不明だった。

 Selim氏らは、1998〜2000年に虚血性脳卒中を発症し、24時間以内に診察を受けた人110人について、発症前に服用していた薬の種類と、脳卒中の程度、MRI(磁気共鳴画像)などを調べ、比較した。

 このうち、抗血小板薬のみを服用していたのは49人、抗血小板薬とACE阻害薬またはスタチンのどちらかを服用していたのは43人、3剤を併用していたのは18人だった。

 脳卒中の臨床症状の程度について比較したところ、NIHSSスコアの平均値は、抗血小板薬単独群が11.5、2剤群が8.7だったのに対し、3剤群は4.1と、有意に程度が軽かった。

 また、ペナンブラの目安となる、MRIの潅流強調画像(PWI)と拡散強調画像(DWI)のミスマッチ部位の体積の平均値は、抗血小板薬単独群が46.8cc、2剤群が60ccだったのに対し、3剤群は27.4ccと、有意に小さかった。

 さらに、退院後に自宅に帰ることができた人の割合は、抗血小板薬単独群が8.2%、2剤群が11.6%だったのに対し、3剤群は22.2%と、倍以上になった。Selim氏は、3剤の相乗作用によってこうした格差が現れたのではないかとし、今後、より大規模な試験を行うことが重要だと語った。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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