2004.06.28

女性の脳卒中予後は男性より悪い? 発症後の院内死亡は男性の約4割増

 女性が脳卒中を発症した場合、男性よりも予後が悪い。特に院内死亡率は8.8%と男性よりも約4割も高く、ナーシングホームに入る率も高いというスペインでの研究結果が発表された。脳卒中登録制度で9年間に登録された虚血性脳卒中患者約3000人に対する観察研究で、6月25日行われた一般口演「Prevention II」でスペインのAutonoma大学Madrid校神経学科のP. Martinez氏らが報告した。

 Martinez氏らの研究グループは、脳卒中登録制度に1994年から2002年までの9年間に登録された4038人のうち、一過性脳虚血(TIA)を除く、虚血性脳卒中2974症例を対象とした。登録者の56%が女性で、平均年齢は女性が72.1歳、男性が67.8歳で有意に女性が高齢だった(p=0.001)。

 脳卒中の重症度を判定する指標のCanadian Stroke Scale(米国立衛生研究所が制定したNIHSS:National Institute of Health Stroke Scaleの簡易版に相当)はほぼ同等で男女の有意差は見られなかったが、女性の入院日数は平均12.82日で男性の12.05日よりも有意に長く(p<0.05)、院内死亡は女性が8.8%と男性の5.5%に対し、37.5%上回った(p<0.01)。

 自立度を示す退院時のmodified Rankin Scale(mRS)でグレード2を超える(中等度以上の障害あり)比率は、男性の24.7%に対して女性では35.5%と有意差があった。また、退院時の自宅帰還率は男性の72.7%に対して女性は68.5%、リハビリテーションの施行率は男性の15.7%に対して女性は12.7%と有意に低く、逆にナーシングホームへの入居率は男性の4.6%に対して9.8%と有意に高率だった。多変量解析の結果、女性、年齢、心房細動、虚血性脳卒中の既往は、独立で有意な虚血性脳卒中予後の悪化要因になることが判明したという。

 Martinez氏らの発表に対して、会場からは、「長命な女性はパートナーを失って寡婦になる率が高く、自宅への復帰率の低さの原因になっているのではないか」「たとえパートナーがいたとしても男性は(よりきめ細やかな)女性のケアが受けられる」などの指摘が相次ぎ、論議を呼ぶ結末になった。(中沢真也)

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