2004.06.27

働き盛りはご用心、週明けの脳卒中発作は日曜日の5割り増し、鳥取大の調査で判明

 女性は冬、高齢男性は春が危険。年齢・性別を問わず月曜日は要注意−−鳥取県で17年間に発生した1万2529件にのぼる脳卒中発作の疫学研究から、脳卒中の発症パターンに年間(季節)変動と曜日による変動という2つの周期性が見られることが明らかになった。鳥取大学医学部保健学科教授の倉鋪桂子氏らが6月24日のポスターセッション「Risk Factors」で報告し、注目を集めた。

 倉鋪氏らの研究グループは、鳥取県が1985年に県の事業として開始した脳卒中登録事業で1985年1月1日から2001年12月31日までに登録された初回発作1万7056件のうち、40歳以上の1万2529件について解析した。解析は一般的な退職年齢を考慮し、40〜59歳の若年群(2116人)と60歳以上の高齢者群(1万413人)に分け、性別、年齢群別に実施した。

 まず、週間変動では、男女、年齢を問わず月曜日の発症率が高く、日曜日には最低になる傾向が見られた(p<0.01)が、高齢群よりも若年群で日曜日と月曜日の差がより大きく、仕事のストレスの影響を示唆する結果が得られた。特に若年女性では、日曜日の発症が約11.3%なのに対し、月曜日は約17.2%で、週明けにはいきなり脳卒中発作リスクが日曜日の1.5倍強に跳ね上がることが分かった。若年群の男性では日曜日の約12.6%から月曜日には約17%に急上昇した後、火曜日には約14.3%に急減し、火〜土曜日はほぼ14%前後で一定だった。

 これに対して高齢者群では、週内の変動幅は男性で約2%、女性で約3%と、若年群の半分程度で、日曜日に最も低く月曜日に急上昇する点は若年群と同様だが、なぜか男女とも木曜日にいったん急上昇し、3〜4日というサイクルで変動していることが判明した。特に男性では月曜日よりも発症率が高かった。

 一方、季節による変動は、若年群、高齢群とも女性の方が強く影響を受けていた。若年男性は年間の変動幅が2%強なのに対して、若年女性は6%弱と3倍近い差があった。どの群でも夏が最低になり、冬の方が発症が多かったが、高年齢男性は冬よりも春の発症が多かった。

 倉鋪氏らは脳卒中の種類別の変動パターンも分析している。虚血性脳卒中(CI)はほとんど季節変動がないのに対して、脳内出血(CH)は高齢群で夏に対して春に1.52倍(p<0.01)、くも膜下出血(SAH)では若年群で冬に1.38倍(p<0.05)と大きな変動があった。虚血性脳卒中は逆に週内変動では、若年群で日曜日に対して月曜日が1.53倍(p=0.01)と変動が見られた。

 倉鋪氏は世界脳卒中学会が発表したプレスリリースのなかで、「季節変動は自然環境や日々の活動に、週内変動は仕事とストレスに影響を受けていると考えられる」としている。今後、分析が進めば、月曜日には特に休憩時間を設けたりフィットネスを奨励するなど、組織的な予防活動への応用も考えられ、興味深い。(中沢真也)

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