2004.06.27

脳室内出血後のカテーテル関与の再出血、血圧コントロールでリスクが大幅減少

 脳室内出血(IVH)発症後、その治療の過程で脳にカテーテルを挿入するが、このカテーテル周辺で起こる出血について、血圧をコントロールすることで予防が可能であることが分かった。これは、米Johns Hopkins大学のD.F.Hanley氏が、6月26日のレイトブレイキング・セッションで報告したもの。なおIVH患者の約40%に、発症後の出血箇所の増大や脳内再出血が起こると言われている。

 同研究は、元々は、米国食品医薬品局(FDA)が支援し、IVH患者に対する血栓溶解術の効果を調べるものだった。今回、同研究から得られたデータを再調査することで、新たな事実が見つかった。

 ここでは、IVHの患者48人について、平均動脈血圧のコントロールの達成度合いと、再出血の種類と頻度について調べた。血圧コントロールについては、治療前よりも平均動脈血圧を30mmHg引き下げることを目標とし、その達成度合い(50%未満、50〜75%未満、75〜95%未満、95%以上)に応じて4グループに分類した。出血については、コンピュータ断層撮影(CT)検査を毎日行い、検出した。

 その結果、治療の過程で挿入したカテーテルに添った局所的出血で、圧排効果を伴うものの発症率は、血圧コントロールの達成率が50%未満だった群では28%だったのに対し、95%以上達成した群では0%と、大幅な差が見られた(p=0.04)。なお同氏によると、今回の研究で見られた脳内再出血のおよそ8割が、この種の出血であったという。

 この研究結果を受けてHanley氏は、IVH患者に対する血圧コントロールは、カテーテル関与の出血リスクを減らす可能性が考えられるため、今後前向き試験を行って明らかにすべきであるとしている。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 矛盾抱えた「患者申出療養」はどこへ行く? リポート◎治験でも先進医療でもない第3の混合診療 FBシェア数:34
  2. 「救急医にはアイデンティティーがない」の呪い 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:3
  3. なんでこんな検査を定期健診に入れている? 記者の眼 FBシェア数:133
  4. 大型マンション近くでも埋まらない医療モール その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:1
  5. どうやって個人型確定拠出年金で節税するの? Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:3
  6. 急性肺塞栓除外のための新臨床ルールの提案 Lancet誌から FBシェア数:241
  7. 北大病院がインドの病院と国際協定を結んだワケ リポート◎脳神経外科を中心に技術交流をスタート FBシェア数:47
  8. JCHO東京高輪病院で感染症内科医7人一斉退職 2017年4月から、ほぼ全科で土曜休診に FBシェア数:611
  9. オーナーが倒産寸前! 危ない物件の見分け方 その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:30
  10. 70歳代男性。便潜血反応陽性 日経メディクイズ●内視鏡 FBシェア数:0