2004.06.27

ドネペジルが脳血管性痴呆症のIADL維持にも有効

 アルツハイマー性痴呆症の治療薬であるドネペジル(一般名、日本での商品名はアリセプト)が、脳血管性痴呆症のIADL(日常生活関連動作)などの維持に有効であることが明らかになった。6月25日の一般口演で、カナダToronto大学のSandra Black氏が発表した。

 これまでの研究結果から、脳血管性痴呆症の患者に、コリン作動性欠損が見つかっている。そのため、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるドネペジルが、脳血管性痴呆症にも有効である可能性が高いと考えられてきた。

 今回発表した研究は、2つの無作為化二重盲プラセボ対照試験を合わせて分析したもの。それぞれの被験者数は600人超で、合わせて1219人だった。被験者は、脳血管性痴呆を発症してから3カ月以上経過しており、脳血管疾患と痴呆症のエビデンスがそれぞれあり、また脳血管疾患と痴呆症との関連可能性がある人が対象となった。アルツハイマー性痴呆症は除外した。試験開始時点で、被験者の89%が、お金の管理や手紙の整理などといったIADLに問題があった。

 Black氏らは、被験者を3群に分け、ドネペジル5mg/日、10mg/日、プラセボをそれぞれ投与し、24週間追跡して、IADLスケールとアルツハイマー病の機能評価スケール(ADFACS;Alzheimer's Disease Functional Assessment and Change Scale)を使って機能を評価した。

 その結果、IADL とADFACSの両スケールで、ドネペジル投与群はその用量にかかわらず、試験開始時点の機能性を維持することができた。一方でプラセボ群は、両スケールともに、試験開始時点と比べて機能性が低下した。なお、ドネペジル5mgと10mgとでは、その効果に差はなかった。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 2018改定で加速! 診療実績ない病院は淘汰へ 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:78
  2. 「おちんちんが小さいのでは?」と聞かれたら 泣かせない小児診療ABC FBシェア数:29
  3. インフルエンザ発症直後は心筋梗塞が増える NEJM誌から FBシェア数:93
  4. 心血管疾患二次予防のLDL-C目標値は70未満 特集◎生活習慣病 7つの新常識《3》 FBシェア数:70
  5. なぜ医療機関で「残念な上司」が増殖するのか 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:449
  6. 褥瘡治癒の決め手は「亜鉛」にあった リポート◎木を見て森を見ずの褥瘡治療 FBシェア数:616
  7. 脳卒中で逝った大奥の支配者 天璋院篤姫 病と歴史への招待 FBシェア数:2
  8. デイサービスで感じた女子力とは? 病院珍百景 FBシェア数:33
  9. コールドポリペクトミーは抗凝固薬服用中の大腸ポリ… 学会トピック◎第14回日本消化管学会総会学術集会 FBシェア数:45
  10. 『君たちはどう生きるか』と救急受け入れ拒否 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:77
医師と医学研究者におすすめの英文校正