2004.06.26

イスラム教徒のラマダンでピル服用の女性に脳血栓が頻発、イランから症例報告

 経口避妊薬を服用してイスラム教徒の断食月「ラマダン」に参加した女性に脳血栓症が頻発しているようだ。宗教行事だけに関連性を裏付ける症例対照研究などは実施していないが、エコノミークラス症候群で経口避妊薬服用時の脱水による血栓発生の危険が指摘されていることは記憶に新しく、女性の健康にとって見過ごせないテーマだと言える。テヘランのToos総合病院のK. Shirkool氏らの研究グループが6月24日のポスターセッション「Risk Factor」で報告した。

 イスラム教徒は毎年イスラム暦の9の月(2004年は10月15日〜11月13日頃)に日中の飲食を絶つ「ラマダン」と呼ばれる宗教行事を行う。病人と妊婦、生理中の女性は免除されることになっているが、免除を嫌い、経口避妊薬を服用して生理の時期をずらしてラマダンに参加する女性も少なくないようだ。

 Shirkool氏らの研究グループは、毎年、ラマダン月に女性の脳血栓症患者の発生が多い傾向があることに気づき、経口避妊薬との関連に着目した。

 提示された症例は27〜47歳の女性8人で、頭痛、痙攣、嘔吐などの症状と麻痺などがあり、MRIによる画像所見で虚血などが確認された。ラマダン月の月経時期調節だけでなく、避妊などの目的で長期にわたって服用していた女性も含まれるが、ラマダンの断食による脱水と経口避妊薬服用の相乗効果によって脳血栓症が発生した可能性が否定できないという。Shirkool氏らは、「今後の研究で詳細が判明するまで、本来の宗教規則(生理中の免除)に従うことによって予防可能だ」と指摘していた。(中沢真也)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 私、モンスターペイシェント? 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:94
  2. 見えにくい静脈への穿刺を助ける新兵器 リポート【動画付き】◎血管可視化装置の使い勝手は? FBシェア数:68
  3. 熊本大、浜松医大の志願者が4割減少した理由 記者リポート FBシェア数:108
  4. 見逃してはならないクモ膜下出血 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:2
  5. 麻酔科専門医の要件「単一施設に週3日以上勤務」へ フリーランス麻酔科医への影響は? 2019年から要件追加、2年の猶予 FBシェア数:189
  6. 東京医大の裏口入学贈収賄事件で憂うべきこと 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:315
  7. 「月1回訪問+オンライン」で在宅医療を効率化 特集◎2018年度診療・介護報酬改定のインパクト《4》 FBシェア数:26
  8. 肝細胞癌治療にパワーのある2次治療薬が加わる 日経メディカルOncologyリポート FBシェア数:29
  9. 冠静脈デバイスは冠虚血治療のラストリゾートか 駒村和雄の「健康寿命で行こう」 FBシェア数:30
  10. 聖路加病院長・福井氏「『医療の質』の議論が二の次… 学会トピック◎日本病院学会2018 FBシェア数:235
医師と医学研究者におすすめの英文校正