2004.06.25

睡眠障害による血圧・心拍の変動が脳卒中発症の引き金に:関連性強く示唆する調査結果が報告

 睡眠時無呼吸症候群(OSA)などの睡眠障害は本来、低いレベルで安定している睡眠時の血圧や心拍に大きな変動を及ぼし、循環器障害を引き起こしたり、血栓の形成を促進して脳卒中の原因になっている可能性があるという。米Idaho州のIdaho Saint Alphonsus地域医療センター神経学研究所のPennie S. Siebert氏らの研究で、6月24日のポスターセッション「Risk Factors」で報告された。

 Siebert氏らの研究グループは睡眠障害患者317人を対象として詳細な調査を実施した。111項目の質問票、睡眠ポリグラフを含む13分類320項目のデータベースを作成し、睡眠習慣、睡眠状況の観察結果、日中の症状、睡眠に関する不満、治療歴などを詳細に調査した。対象者のうち、15人が脳卒中の既往があった。

 その結果、脳卒中の既往がある睡眠障害患者では、高血圧(73%対45%)や慢性肺疾患(40%対16%)、循環器系のトラブル(55%対26%)が多い傾向があった。また、睡眠時無呼吸症候群と診断された患者の比率も36%対15%で脳卒中既往者の方が多く、しかも脳卒中既往者では重症者の比率が高かった(70%対33%)。このため、呼吸停止も脳卒中患者が21%対2%と非常に多く、酸素利用者の比率が50%対15%、持続陽圧呼吸(CPAP)利用は65%対40%とより高率だった。

 Seibert氏らは、既存の研究で、脳卒中患者の31〜70%が睡眠中の脳卒中発作を体験しているとしており、睡眠障害の関与が疑われる。しかし、同氏らは、睡眠障害のリスク要因の多くは脳卒中の直接のリスク要因でもあるため、脳卒中患者に対して睡眠障害を発見しにくいという。しかし、睡眠障害患者に対して、脳卒中特有の所見や症状を把握することで、適切な治療を含む予防が可能だと指摘していた。(中沢真也)

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