2004.06.25

脳梗塞再発抑制試験CSPSのサブグループ解析−−シロスタゾールの抑制効果はハイリスク群で著明

 抗血小板薬シロスタゾールの脳梗塞再発抑制効果を検討した日本初の大規模臨床試験CSPS(Cilostazol Stroke Prevention Study)の成績は、シロスタゾールの有意な再発抑制効果を証明したが、サブグループ解析の結果、本剤の有効性はとくに糖尿病や高血圧を基礎疾患としてもつハイリスク患者において著明であることが明らかになった。6月24日の一般口演「抗血栓療法1」で、東海大学の北川泰久氏(写真)が報告した。

 CSPSは脳梗塞発症後1〜6カ月の患者1095例を対象にシロスタゾールの脳梗塞再発抑制効果をプラセボを対照薬として検証したが、シロスタゾールにより再発リスクが43.4%と著明に減少することが明らかになっている。研究グループはこの主成績を踏まえ、シロスタゾールの有効性に影響を及ぼす因子について詳細な解析を行った。

 まず、プラセボ群において、基礎疾患(高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、高脂血症)の脳梗塞再発に及ぼす影響を検討した。これらの疾患が脳梗塞の初発リスクを高めることを証明した成績はあるが、再発に及ぼす影響を示したデータは少ない。

 解析の結果、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病を合併した群で再発リスクが高いことが明らかになった。なかでも糖尿病による再発リスクの上昇が著明であったが、そのことを証明したのはCSPSが初めて。

 次にシロスタゾールの有効性に対する基礎疾患の影響を検討した。糖尿病についてみると、非糖尿病群における脳梗塞発症率(年間)は、シロスタゾール群3.4%、プラセボ群4.7%であったが(相対リスク減少率28.8%、p=0.193)、糖尿病群の脳梗塞発症率はシロスタゾール群3.4%、プラセボ群9.5%であり(相対リスク減少率63.9%、p=0.008)、シロスタゾールの効果は糖尿病群においてとくに著明であった。

 血圧が160/90mmHg以上、または降圧薬服用中のものを高血圧と定義し、治療効果を解析した。非高血圧群の脳梗塞再発率はシロスタゾール群4.0%、プラセボ群5.6%であったが(相対リスク減少率28.5%、p=0.31)、高血圧群の再発率はシロスタゾール群2.9%、プラセボ群5.9%であり(相対リスク減少率51.7%、p=0.02)、シロスタゾール群の効果は高血圧群において有意であった。

 さらに糖尿病、高血圧、高脂血症、虚血性心疾患のいずれかを合併する群とこれらを合併していない群で比較したところ、合併群においてシロスタゾールが著効を示すことが明らかになった。北川氏は以上の成績にもとづき、脳梗塞再発リスクの高い患者においてシロスタゾールの高い予防効果が期待できると述べた。(小林圭)

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