2004.06.25

脳卒中患者の大規模試験MATCH、ハイリスク群へのアスピリンとclopidogrelの併用はclopidogrel単独投与と予防効果は同等、出血リスクは倍増

 脳卒中患者を対象とした試験としては最大規模のMATCH試験の結果、ハイリスク・グループに対するアスピリンとclopidogrelの併用は、clopidogrel単独投与と比べ、脳卒中や心筋梗塞などの予防効果は同等であることがわかった。一方、アスピリンとの併用は、生死にかかわる胃腸や頭蓋内の出血リスクを、約2倍に増やすことがわかった。24日のサテライト・シンポジウムで、MATCH研究グループを代表し、ドイツEssen大学のH-C.Diener氏が発表した。

 これまでの研究結果から、clopidogrelはアスピリンに比べ、心筋梗塞や虚血性脳卒中を最近発症した人や、末梢性動脈疾患のある人に対し、主なアテローム性血栓イベントの予防効果が高いことがわかっている。そこで今回、clopidogrelをアスピリンと併用することで、clopidogrel単独投与に比べ、脳卒中や心筋梗塞の予防効果を高めるか否かについて、その結果が注目されていた。

 MATCHでは、過去3カ月以内に虚血性脳卒中か一過性脳虚血性発作を発症し、その上、虚血性脳卒中の発症リスクが高い人、7599人を対象に、28カ国、507カ所で共同試験を行った。被験者の年齢は40〜92歳で、平均年齢は66歳、うち男性は63%だった。

 被験者は2群に分かれ、一方にはclopidogrel75mg/日とアスピリン75mg/日を、もう一方にはclopidogrel75mg/日のみを投与した。18カ月追跡し、心筋梗塞、虚血性脳卒中、血管性疾患による死亡、急性虚血による入院の割合を比較した。

 その結果、アスピリン群の同イベント発症率は15.70%、対照群の同発症率は16.73%、p値は0.244と有意差は見られなかった。

 一方で、生死にかかわる出血イベントの発症率について見てみると、対照群は1.3%だったのに対し、アスピリン群は2.6%と、およそ倍増することがわかった(p<0.001)。

 会場からは、「被験者数を増やすことで有意差が出るのでは」、との問いがあったが、Diener氏は、「アスピリン併用による潜在的な予防効果は、出血イベントのリスクで相殺されてしまうので、被験者数を増やしても意味がない」との見解を示した。(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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