2004.06.21

咽頭結膜熱とA型溶レン菌咽頭炎、過去10年間の同時期上回る高水準続く−−感染症週報第23週から

 国立感染症研究所感染症情報センターが6月18日に公表した2004年第23週(5月31日〜6月6日)の感染症週報(感染症発生動向調査)によると、咽頭結膜熱は例年に比べて高い水準で、夏の流行期に向けて報告数が増加している。第23週の定点当たりの報告数(1医療機関当たりの患者数)は0.60で、19週以降の4週間で2.3倍に増加した。過去10年で最も報告数が多かった2003年の同時期の0.36と比べて約1.7倍になっている。都道府県別では福井県(2.2)、富山県(1.8)、宮崎県(1.8)が多い。

 A型溶血性レンサ球菌咽頭炎はゴールデンウイークに当たる第19週には報告数が激減したものの、第20週から4週連続で定点当たり報告数が2.0を超え、過去10年間の年間最大値を上回る高い水準が続いている。前週の2.19から23週は2.03とやや減少した。都道府県別では山形県(5.1)、新潟県(4.1)、鳥取県(4.0)が多い。

 ヘルパンギーナは夏休み前の流行期に向けて増加している。第19週には0.13だった定点当たり報告数が4週後の23週には1.31と10倍を超えた。例年27〜29週がピークになる。都道府県別では福井県(6.1)、愛媛県(6.1)が多い。

 風疹は減少し、全国の定点からの報告数147件、定点当たり報告数が0.05と、1999年以降の平均的な水準になった。都道府県別では、栃木県(0.3)、群馬県(0.2)が多い。

 今年に入ってからの風疹の報告数は低い水準ながら緩やかな増加傾向にある。第12週の定点当たりの報告数(1医療機関当たりの患者数)は1999年の同時期の値を超え、ここ6年間の最高値を記録した。今年に入って既に2例の先天性風疹症候群患者が発生したこともあり、今号では注目すべき感染症欄に取り上げて警戒を呼び掛けている。その他の感染症では、春休みの影響もあってか、A型溶血性レンサ球菌咽頭炎や咽頭結膜熱は、高い水準ながら前週よりもやや減少した。

 流行性角結膜炎は全国平均の定点当たり報告数は0.99と例年に比べてやや低い水準で推移しているが、沖縄県では全国の眼科定点からの報告総数628件のうち、100件の報告があり、定点当たり報告数は10.0と非常に多くなっている。

 全数報告の対象となる感染症については以下の通り(6月10日集計分)。
 1類感染症:なし。
 2類感染症:細菌性赤痢4例、腸チフス1例、パラチフス1例。
 3類感染症:腸管出血性大腸菌感染症80例(うち有症者57例)。岡山県(17例)、東京都(6例)、長崎県(6例)、沖縄県(6例)が多い。
 4類感染症:オウム病1例、つつが虫病7例、日本紅斑熱1例、マラリア1例、レジオネラ症6例、A型肝炎1例。
 5類感染症:アメーバ赤痢8例、ウイルス性肝炎3例(いずれもB型)、クロイツフェルト・ヤコブ病1例(孤発性)、激症型溶血性レンサ球菌感染症1例、後天性免疫不全症候群9例(AIDS1例、無症候7例、その他1例)、ジアルジア症1例、梅毒13例、破傷風2例、バンコマイシン耐性腸球菌感染症2例。

 詳しくは、感染症発生動向調査週報まで(pdfファイル)。(中沢真也)

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