2004.06.17

FDAが警告 制吐薬ドンペリドンの副作用を利用した母乳分泌促進薬が米で出回る

 米食品医薬品局(FDA)は、米国で未承認のドンペリドンが母乳分泌を促す薬剤として出回っていることを重く見て、安全性の観点から使わうべきでないとする警告を発し、ドンペリドンを含む薬剤を調合している薬局・薬店とこれらにドンペリドンを供給している企業に対し、警告書を送付した。

 ドンペリドンはベルギーのJanssen Pharmaceutica社が1974年に創製した薬剤でドパミン抑制による消化管運動の促進作用があり、制吐薬として各国で広く利用されている。日本では協和醗酵が導入・開発し、1982年に「ナウゼリン」として承認されている。現在では特許が失効し、20ブランド以上が各社から販売されている。ドンペリドンには母乳の分泌に必要なホルモンであるプロラクチンの分泌を促す副作用があり、これを効能とした“薬剤”が今般、米国で出回ったと見られる。

 FDAは、ドンペリドンの注薬によって不整脈、心停止、突然死が起こり、いくつかの国で販売が中止されたほか、経口薬を認可している国でも、服用によって母乳に薬剤が排出され、授乳する乳児に未知のリスクがあるという警告ラベルを貼付しているところもあるなどとして注意を喚起している。

 ナウゼリンの使用上の注意にも「重大な副作用」として、乳汁分泌、女性化乳房、乳房膨満感、月経異常などの内分泌異常を挙げている。妊婦には禁忌としているほか、ラットによる動物実験で乳汁中への移行が報告されているとして、授乳中の女性の大量投与は避けることとされている。母乳にドンペリドンが移行して乳児に女性化などのホルモン様作用をもたらす可能性は否定されていない。

 FDAの警告メッセージ(Talk Paper)はこちらまで。(中沢真也)

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