2004.06.10

【投稿】AARP訪問と吉田壽三郎先生

 村田裕之氏から「スマートシニア・ビジネスレビュー04.06.07 Vol. 52」が届きました。今回は米国からです。テーマは、「AARP訪問と吉田壽三郎先生」。以下に全文を紹介します。

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AARP訪問と吉田壽三郎先生

実は、先ほどアメリカコロラド州デンバーに到着しました。
来週、久しぶりにワシントンに行きます。
もちろん、故レーガン元大統領の
国葬に出席するわけではありません。

今回の渡米理由の一つは、
ワシントンのAARP本部で講演する機会を頂いたことです。

AARPについては、このスマートシニア・ビジネスレビューでも
何度か取り上げてきましたが、
50歳以上の会員3600万人を有する全米最大のNPOです。

多くのボランティア活動を支援するNPOの顔をもつ一方、
上院議員が最も恐れるロビー団体としての顔ももち、
AARPサービスという関連会社を通じて、保険や旅行販売で
全米屈指の売上げをもつ営利企業としての顔ももつ、
実に不思議な団体です。

4月に開催されたコンファレンスでの発表が縁で、
今回AARP本部での講演の運びとなりました。
当日は、国際部門、政策部門、アジア研究部門から
多くのスタッフの皆さんが参加の予定です。

最近、メディケア改革法案をめぐり、一波乱ありましたが、
それでもAARPは、依然、米国のエイジング分野における
最大の影響力をもつ団体であることに変わりはありません。

特に、驚くのは、研究スタッフの質と量です。
国際部門では、「グローバル・エイジング・レポート」という
報告書を定期的に発行しており、日本を含む先進国の
高齢化に関する研究を幅広く報告しています。

日本の年金改革などもそれなりに報告されており、
彼らの関心の高さを知ることができます。
世界最速の高齢国家 日本の動きは、
彼らにとって大きな興味の対象となっているようです。

エイジング問題は、前回報告した中国も含め、
ますますグローバル化していることは疑いもありません。
しかし、技術がこれだけ発達しても、
言葉の壁がなかなか解消されないせいか、
情報交流が限られているような気がします。

これだけ精力的に研究しているAARPでも
レポートで扱われている情報ソースは、
公的なマクロなものが主体となっています。
逆に彼らの知らない日本の現状を伝えるのが、
自分の役割ではないかと思っています。

ところで、日本出発直前に、私が講師を担当している
生涯職業能力開発促進センターの前館長で、
日本ウェルエージング協会理事の江頭年男さんから
「故吉田壽三郎先生を偲ぶ」という冊子を頂きました。

この冊子から、吉田壽三郎先生が、
日本の高齢化に伴う諸問題を早くから予見し、
「日本老残」などの書籍を通じて警鐘を鳴らし、
日本ウェルエージング協会の設立など
数多くの業績を残された方であることを知りました。

特に印象に残ったのは、早い段階からスウェーデンや
アメリカなどの現状を研究され、国際的な観点から、
日本がとるべき道筋を示された方であることです。

このような方が日本にもおられたことを、
追悼集で初めて知ったのを恥ずかしく思う反面、
偉大な先人の足跡を知ることができ、
今後の自身の歩みに大きな励みとなりました。

AARPへの訪問に際して、この追悼集を通じて
吉田壽三郎先生を知ったことが、
単なる偶然ではないような気がしました。

追悼集をお送りいただいた江頭さんに心より感謝いたします。

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