2004.06.10

抗癌剤による口内炎と小腸粘膜炎にグルタミンの大量投与が有効

 抗癌剤投与による口内炎や小腸上皮の損傷にグルタミンの大量投与が有効という研究成果を韓国の研究グループが報告した。消化管毒性が強い5-FUを含むレジメンを投与している癌患者に対する無作為化比較試験で、化学療法後、1日30gのグルタミンを15日間経口投与したところ、投与群では高グレードの口内炎が有意に少なかったほか、小腸粘膜の損傷を示す透水性も減少した。6月8日のポスターセッション「患者ケア2」で、ソウルSungkyunkwan(成均館)大学医学部内科のKwon Choi氏が報告した。

 Choi氏らの研究グループは、5-FUを含む4種類のレジメンを投与している転移性進行癌の成人患者51人を無作為割り付けによって2群に分け、投与群には、化学療法開始の少なくとも3日前から、1日30gのグルタミンを15日間経口投与し、対照群bと比較した。

 その結果、対照群ではグレード1の口内炎が34%、グレード2、3の口内炎がそれぞれ17%、グレード4も1例(3%)見られたのに対し、投与群ではグレード1が18%、グレード2、3が5%、グレード4が0%で、投与群の方が症状が軽い傾向が見られた。

 一方、小腸上皮の損傷は、損傷の増悪によって透水性が増大することを利用して計測した。放射性同位体を含む物質(51Cr-EDTA:クロム化エチレンジアミン4酢酸)を経口投与し、蓄尿の放射線量を測定した。その結果、介入群では放射性物質の取り込み量が対照群のほぼ半分と有意に少なく、小腸上皮の損傷が少なくなったことが示唆された。

 Choi氏は「グルタミンは5-FUを含む抗癌剤による消化管粘膜の侵襲に対し保護的に作用したと考えられるが、作用については今後の研究が必要」としていた。(中沢真也)

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