2004.06.09

閉経後乳癌患者へのエクセメステイン投与、骨量減少への影響は少

 閉経後乳癌患者に対し、ステロイド系アロマターゼ阻害薬のエクセメステイン(一般名)を投与した場合、その副作用としての骨量減少への影響は、小さいことがわかった。また、骨折率も、エクセメステイン投与によって増加しなかった。同じアロマターゼ阻害薬でも非ステロイド系のものは、骨量減少リスクを増大することが知られているため、この結果は朗報である。6月6日の一般口演で、ノルウェイBergen大学のPer E. Lφnning氏が報告した。

 同研究グループは、閉経後の初期乳癌患者で、乳癌摘出術と放射線療法を行った147人を無作為に2群に分け、一方にはエクセメステイン25mgを毎日、もう一方にはプラセボを、2年間投与した。なお、被験者の乳癌は初期であったため、アジュバント化学療法の適応ではなかった。

 1年間追跡した後に年間骨量減少率を比較したところ、脊椎では、エクセメスタイン群が2.17%減ったのに対し、プラセボ群は1.87%と有意差がなかった。股関節部では、エクセスタメン群が2.72%でプラセボ群が1.48%と、有意差があったものの、その格差は小さかった。また、試験開始時とその2年後の骨密度Tスコアの差について、両群を比べたところ、エクセスタメン群の方が腰部脊椎では0.09、大腿頚部では0.10、プラセボ群よりも減少幅が大きかった。この大腿頚部の骨密度Tスコア0.10の減少は、生涯の骨折リスクに換算すると、相対リスク15%程度の増加になるという。

 骨折は、エクセメスタイン群で4人、プラセボ群で5人と、その割合に有意差はなかった。さらに、両群ともに、試験開始時点で骨密度が正常だった人で、試験期間中に骨粗しょう症になった人はいなかったとしている。

 Lφnning氏は、「この研究結果は、医師とエクセメスタインを服用する閉経後の女性にとって、安心材料になるだろう」としている。
(當麻あづさ、医療ジャーナリスト)

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