2004.06.09

腫瘍サイズ、細胞分裂数、細胞性状が完全切除した消化管間質腫瘍患者の主要な予後予測因子に

 スペインSon Dureta病院のJ. Martin氏らは、同氏らが進めているGEIS Studyの一環として、完全切除した消化管間質腫瘍(GIST)患者の予後予測因子として何が有用かについて検討している。それによると、種々の臨床病理学的指標ならびにKITおよびPDGFR変異と無病生存率(DFS)との関連について、単変量ならびに多変量解析を行った結果、腫瘍サイズ、細胞分裂数(mitotic count)、細胞性状(cellularity)の3つが主要な予後予測因子となり得ることが示唆されたという。

 これまで、完全切除したGIST患者の予後予測因子としては、腫瘍サイズと細胞分裂数が主要なものと考えられてきた。最近ではKITおよびPDGFR変異も予後予測因子として注目されるようになってきたが、しかし、これに関しては未だ大規模研究は乏しく、その有用性に関しては議論の余地が残されている。そこでMartin氏らは、従来の種々の臨床病理学的指標にこれら遺伝子変異を含めて、DFSとの関連について解析した。

 対象はGEIS Studyに参加している29病院から集積されたGIST350例。うち、1.完全切除例、2.c-kit陽性、3.転移がない、4.腫瘍サイズ≧2cm、5.他の腫瘍がない――の条件を満たす165例を適格例として解析を行った。KIT変異に関してはexon 11、13、17のいずれの変異か、またPDGFR変異に関してはexon 12、18のいずれの変異かを検索。またKIT染色パターンや、PDGFR染色陽性か否かについても検討した。そして、年齢、性、腫瘍サイズ、細胞分裂数、部位、細胞性状、優勢な細胞型、腫瘍壊死などと合わせて解析を行った。

 単変量解析の結果、GIST患者のDFSと有意な相関があると認められた臨床病理学的指標は、性、腫瘍サイズ(<6cm or ≧6cm)、細胞分裂数(<5 or ≧5×50hpf)、部位(胃 vs 小腸)、細胞性状(moderate/paucicelluiar vs high)であった。PDGFR染色では陰性例は10%しか検出されないものの、陽性例よりは予後良好であった。 exon 18の変異は、有意差は認めないものの予後良好と関係し、またdeletionタイプの変異は予後不良と、missenseタイプの変異は予後良好と関係することも認められた。多変量解析の結果は、腫瘍サイズ(≧6cm)、細胞分裂数(≧5×50hpf)、細胞性状(high)はDFSを有意に低下させ、独立したGIST患者の予後悪化因子であることが示唆された。

 Martin氏は最後に、「われわれの検討ではexon 18の変異、およびdeletionかmissenseタイプかの検索が予後予測因子として有用である可能性が示されたが、これはさらなる解析が行われることで明らかにされるであろう」と述べた。(尾辻誠)

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